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俳誌を読む


清江先生から俳誌二冊送って頂きました。ありがとうございます。
『知音』三月号 
行方克巳代表 なまこ的
口噤ぐなまこ半分ほど凍り
なまこ的処世訓垂れ海鼠食ふ
初夢のみぐるみ剥がれたればなまこ
わが追ひつめて凍蝶となりにけり

西村和子代表 寒威
薬指強張るままの寒の入
寒威天に張りつめ四海真つ平
この窓の平和いつまでも寒夕焼
寒烏ひと声発せずにはおけず

中川純一  
振袖は風切る翼成人式
流氷に乗りて来世の我は鷹

階の落葉踏む音より吟行 松井秋尚
下枝を日に燃やしたり冬紅葉
神木の下に陣取り暦売  帯屋七緒
湯上りのタオルに柚のはつか
日記買ふ良きことばかり書くと決め
袋菓子分けて教会のクリスマス 安倍川翔
この谷戸の水音絶えず帰り花
紅葉散る小道辿れば修道院

『篠』 2024 Vol.208
辻村麻乃主宰 ぽつぺん
ぽつぺんや闇より息を吹き入るる
急坂の大き都心や下萌ゆる
王子の狐憑きてのたりと冬の雲
北窓開く心が先ににゆつと出て
のつぽりと富士の頭や春の空

寒戻り棘は刃となりにけり 歌代美遥
薄氷壊すをなごの目のひかり
この空は能登に続くや残る鴨
夫を捨てさせる恋路や君子蘭
投宿の女将へ梅の開花問ひ


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