見出し画像

東京おもちゃショー2024で見た注目ポイント&私のおもちゃ大賞

国内最大規模のおもちゃの展示会、「東京おもちゃショー」。
今年は8月29~9月1日、東京ビッグサイトにて開催されました。
毎年楽しみにしている東京おもちゃショー、私は関係者向けの29日、30日に観に行きました。
 
ちょうど台風10号が九州に上陸して各地で大雨となり、東海道新幹線が運休になるなどした日でしたので、例年に比べて人が少ないようにも感じましたが、各社が力を入れて新商品・おすすめ商品をプレゼンし、海外からのバイヤーの方も多く見られるなど、活気のある展示会でした。
また、恒例の「日本おもちゃ大賞2024」も発表され、マスコミでも報道されました。
 
今回の記事では、「東京おもちゃショー2024」で私が注目したおもちゃのトピックスをご紹介します。
また、「日本おもちゃ大賞」の番外編として、当日見たおもちゃの中から「マイおもちゃ大賞2024」を選んでみました。お子さんのおもちゃを探している方、おもちゃに関わるお仕事の方、おもちゃが好きな方など、ご興味ありましたらご覧くださいね。


トピック1:50年を超えるロングセラーおもちゃがたくさん

ルービックキューブと超合金は、どちらも50周年を迎え、こんなコラボ商品も発表されていました。

このほかにも、〇〇周年というおもちゃをいくつも見かけました。
例えば、はずる(旧キャストパズル/ハナヤマ)は40周年。

海外でも人気。現在53か国で1400万個以上を販売

バービーとプラレールは65周年だそうです!

このように50年ほどのロングセラーが多い理由を、私なりに考えてみました。
それは、おもちゃは、「親が選んで、子どもに買い与えるもの」だからではないでしょうか。
つまり、自分が子どもの頃に遊んでいたものを楽しい思い出とともに手渡して、一緒に遊ぶ人が多いのだと思います。また、祖父母の世代にとっても、自分が子どもに買い与えた記憶があるはずです。こうして三世代にわたっておもちゃが共有されるサイクルができているのだと思います。
もちろん、そのおもちゃ自体に長く愛される魅力があり、メーカーが時代に合わせた展開を工夫していることももちろんです。

ルービックキューブに関しては、現在は児童館で遊んでいる小学生が多いという話も聞きました。
家族や児童館の先生にやり方を教わるのはもちろん、動画で攻略法を覚える子どもも多いそうです。
 
ちなみに、キャラクターでは、キティちゃんも50周年です。そのため、キティちゃんコラボのルービックキューブも紹介されていました。

トピック2:恐竜は、おもちゃの定番アイテムに

各社からさまざまな恐竜おもちゃが出ているなと感じました。昨年40周年を迎えたタカラトミーの「ZOIDS(ゾイド)」も恐竜等をモチーフにしています。それも、単なるフィギュアではなく、いろいろな趣向が凝らされています。例えば、プラモデルのように組み立てて楽しむ「ゾイド」や「プラノサウルス(バンダイ)」。

プラノサウルスは、骨格から組み立てて遊べます

「トリガー・ザ・Tレックス/ラプトル(サンスマイル)」は、引き金を引くと、首を振りながら大きく口をあけます。

トリガー・ザ・ラプトル

「パネルワールド(増田屋)」シリーズにも、走るトリケラトプスが。足を動かしながら、コースの上を走る姿が微笑ましいです。

毎年のように恐竜展が開催されて人気を呼ぶなど、恐竜はブームというより、既に一定のファンがいる趣味になっているかと思います。
おもちゃの世界でも、恐竜は「電車」や「飛行機」のように、ひとつのジャンルとして確立しているなと思いました。

その代わり、近年少なくなってきたと感じるのが「車」、それもスポーツタイプの車です。
働く車やバスの人気は高く、おもちゃも多いのですが、この頃スポーツカーおもちゃはあまり見かけません。原因は、若い人の車離れではないでしょうか。スポーツカーが全盛だった時代には、多くの若者に「あの車に乗りたい」という憧れがあり、子どもも大人の真似をして同じように憧れを持っていました。だから、熱心に本物そっくりのおもちゃの車で遊んだのです。
やはりおもちゃは、世相とともに移り変わりますね。

トピック3:メカ+ぬいぐるみで、癒されたい

日本おもちゃ大賞の「ベーシック部門」の受賞商品には、メカ+ぬいぐるみのおもちゃが3点も選ばれていました。
「ニャンだきみは!?(アガツマ)」、「ちゅ~るあげるね!チワマルちゃん(イワヤ)」「ねころんwith U(ハピネット)」です。
どれも、なでたり、話しかけたりすると反応する、コミュニケーションがとれるおもちゃです。

ちゅ~るあげるね!チワマルちゃん

他にも、1990年代後半に大流行したファービーの新商品がありました。以前のファービーよりもカラフルで、耳が光り、アクセサリーでカスタマイズもできます。
5センチほどのミニサイズも登場していました。クリップでバッグにつけて、持ち運ぶこともできます。

手前はミニサイズの商品です

大人も子どもも多くのデジタル機器に囲まれ、AIも暮らしの中で身近な存在となっている現代、おもちゃの技術的な進歩も目覚ましいものがあります。
それでも、ただデジタルなだけでなく、ふわふわしたかわいいものに触って、かわいがって、癒されたい。そんな気分が、こうした商品開発につながっているように思いました。

マイおもちゃ大賞1:ePICO(SEGA)

ここからは、私が個人的におすすめしたい「マイおもちゃ大賞」のおもちゃをご紹介します。
 
1つめは、約30年前の1993年に登場したキッズコンピュータPICO。進化して再登場しました。
テーマは「100の体験」です。本体に接続したテレビ画面を見ながら、専用ペンやマットを使って操作をすれば、全身を使ってさまざまな体験が可能です。
魚釣りや楽器演奏などの趣味から、消防士、電車の運転など職業につながるような体験、宇宙旅行や忍者体験など非日常のものまで、子どもの好きなこと、興味関心が広がるようなプログラムです。
そして、一週間ごとに、子どもがどの遊びを好んで遊んだか、親のスマホに知らせてくれます。

今回の「日本おもちゃ大賞 エデュケーショナル部門」大賞、「共遊玩具部門」優秀賞を受賞しました。

93年に発売されたPICOを姪が好んで遊んでいたのを見て、デジタルをうまく使った良いおもちゃだなと思っていました。そのあと後継品のBeena(ビーナ)が出ましたが、いつのまにか無くなっていました。
今回バージョンアップしたPICOを実際体験してみて、今に合った良いおもちゃと実感しました。

マイおもちゃ大賞2:きって!ほって!ぬいて!とれたてアンパンマン農園(アガツマ)

枝からハサミで切り取る、土から引き抜くなど、さまざまな動きで野菜の収穫を疑似体験できます。野菜がどのようにできるのかがわかったり、引き抜いたときに手ごたえを感じるなど、さまざまな配慮が感じられます。アクションを起こすと、アンパンマンがさまざまにおしゃべりしてくれます。
今回の「日本おもちゃ大賞 共遊玩具部門」大賞、「エデュケーショナル部門」優秀賞を受賞しました。

はじめ見た時に、音は要らないかなと思いました。無駄に電池を使用するだけで、無い方が売価も安く設定できるので、消費者には買いやすいのかと思いましたが、遊んでみて音があるとテンションが上がり楽しさが増します。アンパンマンのキャラクターが付いているのを考えると、音付きの方がよりベターだと思いました。

マイおもちゃ大賞3:スノー@ホーム(あおぞら)

前回の展示会の記事でもご紹介しましたが、やはりユニークさでは群を抜いていると感じました。
雪のようにさらさらですが、ぎゅっと握ると固まり、ほぐすとまた元に戻る素材で、お家の中で雪遊び体験ができます。同じような商品で砂を模した物も出ていますが、こちらの方が散らばった時には安易にまとめられますし、水分を含んでいないので、乾燥してしまうこともなく、水洗いも可能で衛生的です。本当に不思議な素材で、繰り返し触って遊びたくなります。

マイおもちゃ大賞4:AKEDO(Hasy)

AKEDO バトルアリーナ

さまざまなウォーリア(戦士)を戦わせるバトルトイです。1対1で戦う遊び方は単純そのもので、戦いごっこの好きな男の子たちをひきつけそうです。また、デジタルゲームの世界にはあっても、実際に人形を戦わせるおもちゃはかえって新鮮かもしれません。

私が注目したのは、人形を動かすアクションです。引き金を引くタイプ、ボタンを押すタイプ、つまみをひねるタイプとさまざまな動きがあり、遊びながらさまざまな手の動きを体験することができます。
現代では水道の蛇口も「ひねる」のではなく、手を差し出すだけで水が出たり、押すタイプになってしまっていますので、生活の中で「ひねる」動作が少なくなっています。そのため、おもちゃを通して体験できるのは大切だと思います。

右手前は、つまみをひねり、真ん中は引き金を引いて操作します。

また、こうした動きで戦わせるので、親子で遊んでも、それほど力の差が出ないのも良いと思いました。
戦士に鎧を着せてカスタマイズをすることもできます。


いかがでしたか?
本家の「日本おもちゃ大賞2024」一覧は、こちらからご覧いただけます。
ぜひ、こちらも見てみてくださいね。

編集協力:小窓舎

いいなと思ったら応援しよう!