裏と表、光と闇
画像は型染版画「天使の梯子」です。
以前に作った作品を紹介するページには、こんな事を書きました。 https://zbame.jp/angelsladder/
「お互いがお互いの影になっているような、それぞれの世界の梯子を歩いているような、そんなイメージです。
この天使達は、すぐ近くにいるように見えて、互いの存在を全く知らず、別々の世界にいるわけです。
私たちも もしかしたら、全くの別世界に生きている自分がすぐそばにいるのに、全く気づかずにいるだけなのかもしれません。」
これを書いた時は、「パラレルワールド」という言葉が頭の隅にあったのだと思います。
いま読み返すと、それは一人の人間の中にあるいくつもの世界、という意味もあり、また
この世界全体の中にあるいくつもの世界、という意味もあったのだと感じます。
(それがパラレルワールドでしょうか・・・)
「光をもとめる」という時に(私も時々そういいますが)
その「光」というものは、外側のどこかにあるものではないのです。
自分の(世界の)中に既にあって、外に探しに行っても、何処にもないのです。
外側で見つけたものを「光」だと思って取り込んでみたとしても、
自分のではないものはしっくりこない上に、いっとき「うまく」行くように見えて、
そのうちとんでもない不具合が生じてくる。そういうものだと思います。
そして「光」と「影」を別のものとして分けて考えて、
「光」は良いもので、取り込むべきもので
「影」は良くないもので忌避すべきもの、とする方向も、
おそらくいずれは破綻すると思います。
いっけん恐ろしい、見たくない、そして(なによりも)他者に見られたくない
自分の暗部というものは、怖ければ怖いほど必要なもので、
見ないふりをしたり、蓋をしてやり過ごしたりするものではないと思います。
(わざわざ他者を攻撃して回る事を推奨はしておりません)
画像の天使たちは、ほんらいはひとつの存在です。
どちらも同じものであるのですが、その時に「自分」だと思っている側が
たまたま「今の自分」なだけなのです。
そして「今の自分」の目には、別の自分が見えない、感じ取れない。
(「見なければ」「感じ取らなければ」というものでもないと思います。
そう「思っている」段階では、おそらく無理な話です。)
「イティハーサー」という漫画があります。その主人公がふたりでひとりなのです。
ネタバレはたいへん良くないので書きませんが、光と影が統合するということを
とてもわかりやすく書かれています。
それなりに長くて(文庫版で全7冊)、少女漫画で、スピリチュアル系ですので
好みが分れるとは思いますが、ご興味がありましたら。amazon等で手に入るようです。
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