私と着物と型染と ②
私が着物をきるようになったお話の続きです。
浴衣は母が作ってくれて、帯も下駄も持っていたものの、ほぼ袖を通さないまま年月が過ぎました。
東京に10数年暮らしてから京都へ引越し、アートクラブのような会に入りました。
ひとりでは入りにくいギャラリーへみんなで行って、オーナーの方や作家さんにお話を聴いて、お茶をしてアート談義をしたりする会を時々催す、そんな感じのクラブでした。その会のご縁で、京都の夷川通りにあるギャラリーのオーナーと知り合いました。
そのギャラリーは着物の白生地問屋が母体になっていて、オーナーも、そこに集う人たちも、着物を着る人が多く、素敵な着物姿を見ているうちに、自分も着てみようか、という気分になりました。自分の年齢が上がってくるにつれて、洋服が楽しくなくなってきていた事情もありました。
ギャラリーに来られる方々は着物上級者の人たちばかりでした。さすがにそこをいきなり目指そうとするほど厚かましくはなく(笑)まずは浴衣を着て出かけてみよう、と自主トレを始めました。
着付け教室へ通うという選択肢は最初から頭になく、本やネットで着付けの方法を調べては自宅で何度も着てみました。
着付け教室へ行かなかったのは、自信があったからではなく、怖かったからです。
色々とかんばしくない噂が(変なものを買わされるとか・・・)聞こえていましたし、そもそも「お教室」のような場が苦手だったのです。
浴衣で夏に出かける場所と言えば、京都ですから、やっぱり祇園祭でしょう。
着慣れていない浴衣を着て、履き慣れていない下駄をはいて、人混みの激しい蒸し暑い夜を歩いて、どんな事になったかは、ご想像のとおりです(笑)
裾が汗でまとわりつく、襟元は崩れる、下駄で足は痛くなる、歩く時に普段使わない筋肉を使って筋肉痛になる・・・などなど、散々でした。
二度とこんなものを着るものか!と、その時は思うのですが、着物の魅力(魔力)に憑りつかれ始めていた考えなしのお馬鹿さんですので、性懲りもなくまた機会があれば浴衣を着て出かけて、散々な思いを繰り返すのです。
続きます。
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