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対人支援職としての産業保健職

さくらSOC労働衛生コンサルタント・産業医事務所です。

産業医として、対人支援に携わり、かれこれ15年です。主な支援は、メンタルヘルス不調者の復職支援と復職後の職場適応フォローでしょうか。その他、上司のお悩みに寄り添い、解決策の支援を行ったり、時には、経営層の役員に、産業保健の施策支援を行ったりと、産業医の対人支援は多岐にわたります。

ざっくりですが、復職支援に関わった社員さんの数を数えてみました。臨床でいえば、経験症例数ということになります。

500~600人程度です。

1人のフォロー期間は、数か月が最頻値で、長い人は、数年に渡ります。

これだけの経験をすると、メンタルで弱り切って、休職期間満了直前までいき、辛くも復職できたけど、また、ほどなく再休職・・・・・

それでも、対人支援という軸があると、ずっと粘り強く向き合っていこうと思うわけです。

そうすると、もちろん全員とは言いませんが、劇的に元気になっていく人を経験します。主治医のおかげも大きいのかもしれませんが、我々産業保健スタッフの関りも大きいものがあると自負しています。

私は、復職後のフォローを終えるときは、「卒業」という言葉を使って、送り出しています。

対人支援職職として、あれほど弱ってい人が、無事卒業していく姿をみるのはとてもうれしく、それが、産業医として、産業保健師として、大きなやりがいになると思います。

もちろん、多罰性が強かったり、依存が強かったりして、難しい事例もありますし、残念ながら、フォロー途上で自死されてしまう悲しい事例も経験します。

それでも、卒業していく人には、私は、「ありがとう」と声をかけることがあります。

その理由は、「あなたが、私たちの目の前で、元気になっていく姿をみせてくれたことは、私たちが次の支援者に対して前向きになれるから」です。

この感覚は、臨床マインドとも相通じるものがあって、臨床医は、常に「患者さんから学ぶ」という姿勢を叩き込まれます。その姿勢は、そのまま、産業医としての対人支援につながります。

産業医を目指す医師の方も、産業保健師を目指す保健師の方も、このやりがいのある対人支援職に参加してみませんか? 

さくらSOC労働衛生コンサルタント・産業医事務所は、そんなマインドをもつ仲間と一緒に仕事をしたいと考えています。

ありがとうございました。

追記
産業保健職は、個人を観る眼(虫の眼)と、集団を俯瞰する眼(鷹の眼)のバランス感が重要です。そのことは十分にご認識のうえで、本日の記事はあえて、虫の眼に意図的にフォーカスをあてて書いたものであるとご理解いただければ幸いです。