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透き通った美しいもの

苦しみや、悲しみというものたちは
ほんとうは真っ暗闇ではなく、とても透き通ったものなんじゃないかと思う。

だってそれほどまでに、儚く、純粋な感情があるだろうか。

あまりにも脆く、純粋すぎるために
人はそれらを恐れ、黒いベールに包んでしまうことがある。
何層にも何層にも、見えなくなるまで包んでしまう。
そうしているうちにもっとこわくなり、見えなくなるまで遠ざけて
奥のほうにある輝きのことを
歪めたり、忘れてたりしてしまう。

だけどはじめは、悲しみや苦しみというものは、触れることも憚られるほど透明の、硝子玉のように美しいものだったんじゃないだろうか。

いつかひとつずつ、黒いベールを剥がしていって
それが美しい光だったことを知り、
両手で透明なまま受け止めることができるとき

人は、少し強くなれるような気がする。

吉本ばななさんの「ハードボイルド/ハードラック」を読んで。


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今週のこと。

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