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発酵ツーリズムにっぽん/ほくりくマーケットin阪神に行ってきました!

9月に金津創作の森にて、発酵ツーリズムにっぽん/ほくりく展に参加。展覧会をプロデュースした小倉ヒラクさんのナビゲーターで、カラフルな空間装飾や全国の発酵食やストーリーを堪能して参りましたが発酵ツーリズムが関西でも❣️感動をさらに深掘りすべくレポートしたいと思います。

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人出も多くまさにカーニバル的な賑わいの食祭館

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目次

▼中東篤志さんプロフィール

▼小倉ヒラクさんから、へしこのレクチャー

▼御食国からの食材

▼中東さんおススメ、へしこの食べかた

▼ふわふわ卵へしこ丼

▼最近のへしこ事情

11月2日から6日まで阪神百貨店一階の食祭テラスで開催中の発酵ツーリズムにっぽん/ほくりくマーケットin阪神。私は3日の中東(なかひがし あつし)さんの回に参加しました。

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▼中東篤志(なかひがしあつし)さんプロフィール

中東さんは父である「草喰なかひがし」中東久雄さんのもとで料理を学び始め、現在はカリナリーディレクターとして、食にまつわるすべてのディレクションを手がけ、生産者の人たちと関わりながらお仕事をされていらっしゃいます。阪神百貨店の6階で、ワークショップスタイルのお料理教室も開かれており偶数月は発酵料理教室を開催されていらっしゃるそうです。次は12月だそうで、予約必須ですね❣️オーナーを務める京都のお店のほか、御食国として食の歴史の深い福井県小浜市で和久里のごはんやおくどさんというお店も開いていらっしゃいます。

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▼小倉ヒラクさんから、へしこのレクチャー

まず今日のテーマのへしこについて、小倉ヒラクさんからお話がありました。

ヒラクさん「へしことは、北陸の象徴の発酵食材で、ざっくり言うと魚類の糠漬けなんです。

糠漬けと違うところは、漬けこむ期間。糠漬けは一日なんだけど、へしこは一年と長い。多少、手を入れたりはしますが、へしこは北陸ならではの食べ物なんですよ」

ヒラクさん「へしこを食べたことのある方いらっしゃいますか❓」

ほとんどの方が挙手する会場。意外に、関西ではへしこが静かなブームだったりして❓ヒラクさんによると、今日の参加者の方は、発酵強者、ツワモノがたくさんいらっしゃるそうです。。😅

ヒラクさんは、さらにお話を続け、なぜへしこか北陸で盛んになったかも説明してくださいました。

「冬の日本海は波が荒く、長く漁に出られないので、冬の蛋白源の確保も兼ねて、魚を保存するようになりました。」

「北陸三県でも、へしこの違いはあって、福井のへしこは、主に鯖。糠と塩だけ(鷹の爪も)の、クラシカルなへしこが多いんです。石川は鯖が多いのですが、味醂や料理酒などで、リッチな味わいのへしこ。富山は、魚種が違って鯖ではなく、鰯やブリ、サンマが多いですね。福井県の小浜市には、へしこのち、なれずしというのもあるね。糠を一度落として、もう一度、炊いた米と麹でトータルで二年くらい熟成させるんですよ」

北陸三県のへしこの違い、なんとなく県のキャラのイメージとも重なります。やっぱり、へしこはその土地の風土や人の営みに根付いた食材なのですね。

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続いて、中東さんに解説がバトンタッチされました。

中東さん「今日は、福井県小浜のクラシカルなへしこを使った料理をします。塩と糠、鷹の爪で一年半、熟成したものですが、今日、紹介する八百熊川特製のへしこは、お醤油や酒粕も入って、さらに食べやすく作られています。」

▼御食国からの食材

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今日の食材です。へしこ、葛茶、粒マスタード、梅干し。すべて若狭産です。「若狭もん」と呼ばれる厳選された食材です。

熊川は吉野葛、秋川葛の三大産地だそうで、江戸時代から葛が作られていましたが、40年ほど前に途絶えてしまった葛を、熊川葛振興会の人たちが、復活させたそうです。

粒マスタードは、八百熊川の山内かぶらという100年以上前から福井県若狭町山内集落で栽培されてきた伝承野菜の種だそうで、こちらも途絶えていた山内かぶらの美味しさや味わいを、次の世代に繋げたいという想いから、集落の有志が山内かぶらちゃんの会を結成、50年ぶりに出荷が開始されました。つるんとした葛を育てるのは大変なご苦労があるそうです。

写真のふっくらとした梅干しは、福井梅。わたしも自宅で福井梅を選んで買っています。理由は、ふっくらとしてコクがあるんですよね。写真の伏見農園さんの梅は、木の上で完熟した梅だけで作られているらしく、ぷっくり、みるからに柔らかで美味しそうな美しさですね。

食材ひとつひとつが、若狭の豊かな海や山や水の恵みであり、食材を手にできるまでの物語も、熊川宿だけのオリジナリティでもあるので、ぜひこのレシピは、熊川宿から食材をお取り寄せして作ってみて欲しいなと思いました。


▼中東さんおススメ、へしこの食べかた

中東さん「へしこの食べ方として、スライスした刺身は近年になって始まったもの。もともとは火を通すのがスタンダードでした。お酒のあてに、切って焼いたり、ごはんの上に乗せてお茶漬け。身をほぐして、おにぎり。変化球で、チャーハンや、ピザに入れたり、トーストの上にチーズと一緒に並べて焼いたりもできますね。」

へしこは意外に、バリエーション豊富なのですね。今日は、なかでも中東さんおススメ、とっておきの食べ方を教えていただこうと思います❣️

中東さん「へしこはベーコンみたいなもの。油分、香り、塩分、燻製していない、魚のベーコンなんですよ。

だから、卵と合うんじゃないかなと思います。へしこをスライスして、生卵の上にかけたもの。へしこを炒めて、クリームと卵でカルボナーラ、へしこを細かく刻んだ、だし巻きなど。なかでも簡単で美味しい、ふわふわ卵へしこ丼をご紹介したいと思います」

▼ふわふわ卵、へしこ丼

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⭐︎材料⭐︎一人前

八百熊川のへしこ  一切れ

もみじ卵      二個

水         大さじ3

バター       10g

青ネギ       適宜

和食にあう粒マスタード 適宜

白飯       160g

中東さんによると、ごはんはちょっと多めに設定されているそうです。

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まず、へしこを細かく刻んで、中火から強火でバターで炒めます。調味料が全くいらないのも、へしこの旨味があるからだそうです。

へしこの香ばしいかおり!お腹がすいてきました。

ヒラクさん バターは洋風なのに、なぜ、へしことまとまるんですか❓

中東さん  「僕が小学生の頃、はじめて作った料理が、フライパンにバターをひいた炒り卵で、そこに和風の海苔とかを混ぜていたんです。へしこの強さを活かして乳製品に合うかなあと思って」

ヒラクさん「へしこはクセがあるんだけど、卵とバターで不思議に香りが中和されて、まろやかになるんだよね。鯖は魚の中でも油分が多いんだけど、へしこにすると、ほどよく落ちる。生だとぶつかるけど、へしこだからできる。」

中東さん「へしこを切って、頭、尻尾、中骨が余っても、チキンスープをとるように、そこからも出汁がとれるんですよ。鯖のせんばじるを以前作りましたが、昆布出汁をとったあと、へしこの出汁を調味料として醤油代わりに足すんです。旨味のかけ算で、美味しいのができるんですよ。出汁を冷蔵庫に入れておくと、醤みたいに使えます。野菜炒めにも使えますよ。」

「糠をフライパンで空炒りして、白いごはんにかけたりもできます」

へしこは、捨てるところがないんですね🥰。まさに持続可能なSDGSな食材だと思いました。

中東さんのデモンストレーションが始まると、うしろの席の方々も、身を乗り出していらっしゃいます。録画しても良い、とおっしゃってくださる物腰も柔らかな中東さんなのです。

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へしこをいためたら、溶いた卵をへしこと混ぜていりますが、コツは強火にしすぎたり、しっかりした炒り卵にしないこと。半熟くらいで火をとめてしまいましょう。中東さんご用達の、もみじ卵。生卵で食べられる美味しさと伺いましたが、黄身の色味も綺麗な感じがします。

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できあがり✨❣️。粒マスタードに葛茶梅干しも添えて。贅沢な逸品です。

シンプルな料理だからこそ、素材にこだわりを持ちたいですね。

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ヒラクさん 五分しかかからないといっても、ここまで来るのに、一年はかかっているんやからね❣️だから、一年と五分くらいの時間はかかりますよ笑

▼最近のへしこ事情

最近のへしこ事情は、どんな感じなのでしょうか。


ヒラクさん  北陸じゅうのへしこを食べ歩いた経験から、同じ鯖でもマイルドあり、ガチなへしこあり、色々グラデーションがあるなと。または、そもそも鯖じゃないとか。

へしこは、以前の保存食からガストロノミーの領域へと向かっていると思います。昔ながらの塩分20パーセントの塩辛いハードコアへしこから、塩分を減らして発酵管理をして、旨味のある品の良いへしこも現れていますしね。

ヒラクさんによると、へしこの糠もウェットなタイプと、水分が切れて糠がポソポソしているタイプがあるらしいです。ポソポンタイプは、ガチへしこに多いらしく、炒ったり、調味料に向いているとのこと。

ヒラクさんの表現は、わかりやすく面白く印象的なので、知らず知らず発酵ワールド沼に、ずぶずぶと惹き込まれてしまう私でした。

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では最後に、へしこをさらに美味しく食べるためのメッセージを❣️お願いします。

ヒラクさん 切り身で売っていますが、一匹まるごとを使って欲しいです。頭や背中をどうしようと悩むのも、またいいんですよ。

中東さん 一匹まるごと買われたら、刺身にするときは、使うぶんだけ糠を落としたほうがいいですよ。糠を落としてしまうと、傷むのが早くなるので。

へしこについて、たっぷりお話を伺えたうえ、

帰りにお土産までいただけました。

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もみじ卵四つ、ミネラルの多い瓜破の水。おくどさんで炊く、湧水米。和食にあう粒マスタード(こちらは購入)

そして、やっぱり❣️

どーんと。

一匹まるごと、熊川宿コーナーで、買っちゃいました。

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熊川宿のへしこです。なんとなくシュッとしているスタイリッシュなへしこさんというイメージ。

私もへしこふわふわ丼にチャレンジしてみたいと思います!

online.jp/hanshin/contents/str/index.html

阪神百貨店食祭館のURLです。

おまけ。。阪神百貨店、食の充実が半端なくすごいです。おやつの引き出しでも、日本全国のお菓子を買ってきました。四葉マークの美しい紙袋も惜しげもなくくださる。今までどこの百貨店でも紙袋は有料だったのに、嬉しいサービスです。

エンターティメントと美味しさがしっかり両立している発酵ツーリズムほくりく。ぜひぜひ、北陸に足を運んで、北陸の風や景色のなかで、あらためて味わってみてくださいね。
























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