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北前船ゆかりの鰊ずしは、敦賀のおふくろの味。
福井県敦賀市には、にしんずしという敦賀のまちの人に古くから愛されている料理があります。アンバサダーの訪問前のミーティングで、事前に敦賀のお話をしてくださった敦賀の観光のキーパーソン、敦賀観光協会の池田会長のお話のなかにあり、敦賀を訪問前からにしんずしに関心を持っていました。
⭐︎にしんずしは、どんなおすし?
☆敦賀における、にしんずしの由来
☆敦賀旅で出会ったにしんずし@喫茶パインさん
☆池田会長の思い出の、にしんずし
にしんずしは、どんなおすし?
にしんずしとは、どのようなおすしでしょうか?
この冊子に、にしんずしのことが、とても良く載っていますよと池田会長が「わたしとつるが」という本を教えてくださいました。
敦賀市地域起こし協力隊の、にしやまあやかさん編集の冊子です。敦賀のことがさまざまな角度で紹介され、文章もイラストもデザインもセンス良く素敵なご本です。「にしんずし」について、にしやまさんが取材や体験をされたことが詳しく紹介されています。
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にしんずしとは
身欠ニシンを大根や人参と一緒に麹で漬けた発酵食品のこと。
家庭によって具材も作り方も異なり、ひと口ににしんずしと言っても
いろんな味があるらしい
にしんずしは、発酵食品なんですね。イメージですが、富山のなれずしに近いような気がします。材料の身欠にしんとは、にしんの干物のこと。乾燥した干物を水で戻すと、繊維にそって身がほぐれやすいので、身欠にしんというそうです。
敦賀における、にしんずしの由来
敦賀の歴史の詳しい敦賀市立博物館の学芸員、坂東さんに話をうかがった。
坂東さん「江戸時代後半、北前船によって北海道から大量のにしんが運びこまれた記録があります。(中略)当時、関西地方で栄えた木綿栽培の肥料としてにしんが使われており、敦賀を経由して滋賀や大阪・京都に運ばれていました。(後略)
北前船とは江戸時代から明治時代にかけて、日本海まわりで寄港地で売買をしながら北海道と大阪を往復していた帆船のことです。
発酵の大家、小倉ヒラクさんの著書「日本発酵紀行」にも、昆布と並び、にしんも北海道からのルートのシンボルだったと記されています。
北前船の寄港地として、栄えていた敦賀。にしんずしのルーツは、壮大な北前船絵巻に繋がっているんですね。なんだか、ロマンだなぁ。
敦賀旅で出会った、にしん寿司@「喫茶パイン」さん
JR敦賀駅を出て徒歩0分のすぐ右手に「喫茶パイン」があります。アンバサダー活動の待ちあわせまでに時間があったので、入ってみることにしました。
パインさんみたいに、駅近くで朝9時から夜まで開いていて、感じが良くて、美味しいコーヒーや食事もとれるお店って、なかなか、ありそうでないんですよね。
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扉を開けると、カウンターとテーブル席があってテーブル席に座りました。アイスコーヒーを頼んで、ほっとひと息。
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メニュー表を見ると、敦賀名産の魅力的なメニューがたくさんあります。「にしんずし」というメニューに目が留まり、オーナーに伺ってみました。
⭐️オーナー
「にしんずしは各ご家庭でつくられるお漬物みたいなわが家の味なんです。わたしの母がつくっていた、にしん寿司の味が美味しかったのでお店でもその味に近いものを、お客さまに提供しているんですよ」
ーーーおお、まさに「おふくろの味」なんですね。
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応対してくださって、本当にありがとうございました。
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お皿に盛り付けてくださって、お写真も撮影させていただきました。パインさんのにしん寿司は、大根に唐辛子、葉もの。彩もきれいです。
喫茶パインさんのお名前の由来は、お隣の「松屋」さんという旅館がオーナーのご実家なので、松=パインという意味でつけたそうです。他にも、福井県美浜の熟成へしこをほぐして、野菜やトマトソースでアレンジした「へしこスパゲティ」も人気があり、スモールサイズから注文できるそうですよ。
⭐️オーナー
「へしこの名前の由来は、樽に魚を圧しこむということから、へしこむという言葉になったんです。にしんずしは敦賀のソウルフードですが、美浜のソウルフードは、へしこですね」
ーーーへしこ~。大好きです😍。
パスタでは食べたことがないのですが、アンチョビみたいなイメージでお洒落ですね。今日は時間がないので、次回は「へしこスパ」を食べにきたい!
⭐️オーナー
「へしこの糠を白飯にまぶして握ったおにぎりもあります。少し焼きおにぎりみたいな色がついて、絶妙な塩加減で、こちらも評判がいいですよ。」
ーーー糠をおにぎりに!グッドアイデアですね。そもそも糠があるから、へしこは、ふっくら美味しく焼けるんですよね。へしこの発酵のうまみも加味され、すごく身体にも良さそうです。
パインさんのくつろげる居心地の良い雰囲気に、短い滞在で、すっかりパインファンになっていました。本当にありがとうございました。
敦賀の初めてのファーストインプレッションが、とっても良かったので敦賀っていいところだなぁと、すっかり敦賀ラブ❤️になっています!
喫茶パイン
福井県敦賀市白銀町1-15
②池田会長の思い出のにしんずし
その後、アンバサダー達と合流、はじめて池田会長におめにかかり、皆で多目的広場「カグール」に案内していただきました。
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かっこいいですね。
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上の写真は、池田会長からふるまっていただいた、にしんずしです。敦賀のスーパーには、にしんずしが置いてあるそうで、アンバサダーに敦賀のにしんずしを見せてくださるため、スーパー「ハーツ」で調達してきてくださいました。国産で、麹や醬油、みりん、鷹の爪などが原材料の調味料に書いてありました。「ハーツ」は、福井のなかでは、お洒落で品物も豊富なスーパーのイメージがあります。初めて食べるにしんずしの感想は、あっさりと美味しく旨味もしっかりと感じられ、大根や人参の歯応えもいい感じでした。
ごちそうさまでした!
池田会長に、思い出の、にしんずしのお話をお聞きしてみました。
⭐️池田会長
にしんずしは祖母から味を受け継いで、いまは、わたしの母が作っています。それぞれのご家庭ですこしずつ具材や味つけも違うんですよ。家の場合には、だいたい11月くらいから作り始めますね。お正月に食べるからということもありますが、あまり暑い時期だと保存がきかないからなんです。具材に大根を入れますね。大根とにしんが真っ白になって、みえなくなるくらいまで麹をふりかけて、重石で二週間くらい漬け込むんですよ。
ありがとうございました。にしんずしは、ご家庭の味なんですね。手間をかけてつくるにしんずしの奥深さや、敦賀の人から特別に愛されてきた様子が伝わってきました。にしんずしは敦賀港の歴史と営みの知恵を受け継ぐ食のバトン。地域みんなにとっての想い出の食べ物があるって素敵なこと。遠くに住んでいる人も、にしんずしを食べれば、敦賀っ子に戻れる。そして、外から敦賀を訪ねたわたしたちも、敦賀っ子に近づける。そんな不思議な魅力を内包した食べ物だと思いました。
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