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すっごく嬉しい & じんわり喜ぶ

きょう、はじめて 息子の車に乗せてもらいました。助手席には夫さん。後ろの席には わたしとチヨコおかあさん

で、選挙にいきました。

おかあさんの足は、3~5センチくらいずつ すすみます。夫さんも、その妹も通った小学校の体育館まで、家から休憩なしで歩くのは むづかしい。
そこで、初心者マークをつけた息子がドライバーをつとめ、夫さんが助手席で ナビゲート。私はおかあさんの介添えとして、後部座席にすわります。夫さんひとり、まえの住所に車と住民票をおいているので、選挙の会場は ちがうのですけれど。

いつも おかあさんと買いものや病院に出かけている夫さんとは、小さな体育館の入口で「バイバイ」。
「出口でまっててー」と、おかあさん、息子、私は3人で投票をしました。小さな会場で、ほかの人もいるなかで、ちょっとずつさりげなく目配りし、たすけあいながら歩いて、聞いて、書いて、折った紙を、箱に入れました。
それから 出口で夫さんと落ちあって、着付けをすませた 和装の花嫁さんをエスコートする介添人みたいに、おかあさんの手をとって、ゆっくり そーっと階段を降りました。

夫さんが おかあさんのために車の扉をひらき、息子はしぜんとその横に立ちました。
なんとなく晴れがましい、やさしい気持ちになりました。

もし、〈家族年齢〉なんて 年のとりかたがあるとするなら、きょう わたしたちは、またひとつ おとなになれたかも。


年相応の頑固さと、年代特有の「女らしさ」で、ときおり夫さんと口げんかにもなる おかあさん。
いつもニコッと笑ってくれて、力はなくて、あまい味つけでそこにいる全員のごはんをつくるのがすき。

こんな花のようなおかあさんと、私たち家族がいっしょにいられる瞬間に、じんわり喜んでいます。


そして、息子の車に乗せてもらえるなんて日がきたことが、私は  すっごく嬉しいのです。