それでも私は山に登ると決めた。
1月16日は、
noterのMayumiさんと、初詣を兼ねて高尾山に登る約束をしていた。
畑であの火災があった翌々日だ。
気持ちが萎えていて、軽く火傷も負っていた。今後の事も考えなければいけない。火災の後処理もある。
(山登りなんて無理だ。)
しかし、
一番先に、心の奥から湧き出た感情は
(信頼を裏切りたくない)
このnoteのご縁で知り合って、実際にお会いして、畑に来てもらったり、マルシェのお手伝いをしてもらったり、縁を紡いできたつもりだ。
Mayumiさんは高尾山登山を楽しみにしているし、私の都合に合わせて仕事を休んでもらっている。
(信頼を裏切りたくない。)
事故の翌日、朝早く、
大きく深呼吸した後に、集合場所と時間を記したLINEをMayumiさんに流した。
それを弾みに、
今やるべき事で、頭をごちゃごちゃさせているものを全て書き出し
その並びに、山登りの為の買い物リストも作った。
逃げてはいられない。
嘘もつけない。心が苦しいけどnoteの記事を書き始めた。飾らない素直な自分でMayumiさんに会おう。
当日、
京王線の新宿駅の改札前には
Mayumiさんが先に来て待っていてくれた。白い肌に柔らかい茶色いジャケットが似合って、とてもかわいい。
電車に乗り込み、
事故の報告という、重たい暗い話題から始まる新年初顔合わせ。
聞いてくれているMayumiさんも、ぎゅっと、胸を締め付けられる思いだっただろう。
「そんな大変な事があって、今日、よく出掛けて来てくれましたよね。」
とMayumiさんは、私を気遣ってくれた。
初詣がお祓い登山になった。
そんな私を高尾山は、透き通る様な青い空に映して迎えてくれた。
ひんやりした空気が肌をキュッと引き締める。
平日の早い時間、まだ人はまばらだ。
ケーブルカー前のお店も、開店しているお店はまだ少ない。
温かい甘酒を両手で握り、冷たくなった指先を温める様にして、ケーブルカーに乗り込む。
7分ほどで到着したケーブルカーの山頂駅、薬王院の入口には、更に広い大きな空が広がっている。
山の空気はやっぱり気持ちいい。
あんな事があったけど、やっぱり来て良かったと思う。
薬王院の大きな鳥居の前で、
いつもより神妙に挨拶をして、中へ入る。
毎年何度も登らせていただく高尾山。
今年もよろしくお願いします。と挨拶し、健康である事に感謝を伝え、参拝する。
「謙虚であれ」
今年頂いたお言葉。
おごる事なく、自分を過信せず、
生かして頂いている事に感謝する。
もう一つの言葉。
「素直」
新年から大変な事故を起こしてしまったけれど、自分のピュアな心に素直であれと、メッセージを頂いた様な気がする。
ピュアな心は、山が好きと言っている。
畑が好きなんじゃない、あの小田原の畑が好きなんだ。あの山に囲まれた、あの場所が好きなんだ。目頭がジュワッと熱くなる。
薬王院で参拝し、お札を買い、
山頂へ向かう。山頂は奥の院を過ぎるとそう遠くはない。
ゆる〜く登る坂道を、葉を落とした木々を見上げながら登るとあっという間に山頂だ。
高尾山は初めてだというMayumiさんは、山頂の標識の前で写真を撮った後は富士山が好き、と言って富士山の展望のいい場所へと向かって行く。
今日の富士山は、特別きれいだ。
空気が澄んでいて、近くに大きく見える。雪の量が増えて、白く光る斜面が眩しく光っている。
たっぷり写真を撮った後、
私のいつものランチの場所「もみじ台」へ向かう。山頂から階段をズンズン下り、標高を下げる。この階段が膝にくる。
「こうやって、膝から真っ直ぐに足を出すと、膝に負担がかからないんだよー、横向きに降りてもいいよ」
右向いたり、左向いたりしながら、歩幅の違う階段を降り、右にカーブしてゆる〜く登ると、私のお気に入りの場所、もみじ台に到着〜。もみじ台は風もなく、太陽の日差しでぽっかぽか。ここでランチにする。
今日は、
ホットサンドのランチ。
右と左で具の違う、ホットサンド。
ちくわと海苔とチーズの和風と、
たまごとアボカドとチーズに、たっぷりトマトソースをかけたピザ風。
外はパリ、中は熱々、
ボリュームあるホットサンドに、Mayumiさんが持ってきてくれた、これまた具沢山で大きなおにぎりも頬張って、楽しいランチの時間を過ごした。
山頂には、1時間ぐらいいただろうか?
下りは、
「いや、ケーブルで、」
と、ケーブルカー乗り場に向かうMayu miさんを捕まえて、リフトに二人並んで乗った。
初めて乗った高尾山のリフト、気持ちよかったし、楽しかった。
Mayumiさんにとって、この登山はモヤモヤがスッキリするきっかけになったようで、とても安心した。
私は、
どんどん下へ下へと沈んで行く心にブレーキがかかり、
自然に力が湧いてくる様だった。
元気が出て来た。
笑えた。
大丈夫!と思えた。
この日、高尾山に行かなかったら、
私はこうして、noteの記事を書くことが出来なくなっていたかもしれない。
いつしかnoteの世界から、いなくなってしまっていたかもしれない。
Mayumiさんありがとう😊
フォローをしてくださっている沢山の皆さんありがとう。
猫さんは大丈夫。
そして、今日
畑の師匠に電話をした。
「また、畑、やらせてください。」
もっともっと、あの場所が
素敵な場所になったらいいなぁ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?