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嘘
世の中には嘘つきが沢山いる。
私が出会った嘘つきはとてもさわやかに嘘が言える人達だった。
恋愛能の幼馴染みと飲んでた店のオーナーと店長だ。
彼らは夜のお仕事出身。
わたしに様々な嘘のつきかたを教えてくれた人である。
夜の散歩も飽きてきていよいよ暇を持て余した女は独りで飲みに行く事を決意した。
飲みに行くことが増えたある日のこと。
りおれうすは人が良すぎる。世の中には嘘つきしかいないと思った方がいい。心配だ。
と、突然親戚の兄ポジションムーブをかましてきたのだ。
なぜそんな事を突然言い始めたのか不思議だった。
嘘をつく理由が無いなら嘘はいらないじゃない?と笑って返したが二人の顔は真面目だった。(マジでイケメン)
嘘は常に自分を守るものであり、自分を有利にさせるものなんだよ。俺達はそういう世界で生きてきたから嘘をつき、嘘を見抜く。
だから嘘をつかないりおれうすに言わなきゃいけないことがある。
あの女とはもう付き合うな。
だれ??
A子だよ!!あいつはダメだ。
なんで??私の事心配してくれて、このお店に連れてきてくれて君たちとも仲良くなれたし。
それに昔から仲良くしてくれて親身に話し聞いてくれてたよ。
あいつお前が来てない時に散々悪口を言うし酒癖悪くて他の客に絡むし、りおれうすの事下に見てるんだよ。自分の方がいい女だって見せたくて店に連れてきてるの!!
お前がA子の事を親友って言ってるの聞く度に心が痛かったよ。
こういう仕事してたらそういう話は客に絶対言ったらダメなの分かってる上で言ってるよ。
いいお客さん連れてきてくれて仲良くなって、もう友達みたいに一緒に飲みにいく仲にもなってるから敢えて言わせてもらう。
あの女と距離を取れ。
その話を聞いて思い当たる事が度々あった。
新しい男が出来たら呼び出されて男を紹介(幸せになれと毎回願った)
一緒に飲んでる途中で男から連絡があればすぐいなくなる。(それはまぁ別にいい)
自分の知らない飲み会に連れて行かれる(新しい人脈作りなのかな)
括弧内の気持ちで割とポジティブに捉えていたのだがぜーんぶ違ったようだ。
こうやって身近に嘘つきがいるんだよ。
親戚アニキヅラニキ達にA子の酷い有様を聞かされ私とA子の距離は遠くなった。
知らなければ良かったのかと言われれば別にどうでも良かった。
元々恋愛能だったから自分が暇で寂しくなると連絡してくる子ではあったから。
アニキ達に嘘のつきかた講座をレモンサワー片手に夜が更け、朝を迎えた午前5時、りおれうすはまた1つ大人になったのだ。