2021.3.20 大丈夫。僕はここにいる。
大学の卒業式が来週に迫っている。
専門学校の時より寂しさはない。
そうだろう。たった2年の大学生活だからだ。
*
今日、友人2人と食事に行った。
恐らく、3人で食べる最後の、人生で最後の、もう二度と無いであろう、来世でも今世でも前世でも、もう叶うことはない、今まで当たり前だと信じ切っていた、最後の時間。
1人は地元で就職。
1人は同県で就職。
そう、僕は取り残される。
1人は言った。
「また、会えるって。」
そうだろうか。
そうだろうか。
恐らく、ない。
きっと、僕の中でも、彼らの中でも、僕たちの存在は思い出となり、思い返される機会は減っていき、風化し侵食を起こし、そう、消えるだろう。
共に生きた時間を、忘れるだろう。
忘れるだろう。
今日の食事も、密かに心の中で泣いていた僕の心も、忘れ去られるだろう。
そんな、そんな悲しい悲しい想いの積み重ねが人生だって、わかってる。
わかっているよそんなこと。
嬉しいことも、悲しいことも、わすれてしまう。
だからこそ、だから、それだから僕たち人間は生きられる。
わかっている。そうだろう?読んでいるおまえもわかっているよな。
家族との別れ、愛した人との思い違い、叶わぬ恋、破られる約束、思いがけない雷雨、聴きたくなかった陰口、届かぬ想い、滝の死、全部そうだ、一度は打ち当たり、何もかも粉々に壊れてしまった心も、忘れていく、わすれて、わすれて、わすれて、わすれて、わすれて、わすれて。
わすれて、明日が来る。
だからこそ、この言葉を遺したい。
僕は、ここにいる。
ここにいるよ。
大丈夫。
僕は今、ここで息を、生きをしている。
たった2年の、外様の、こんな馬鹿馬鹿しい大学生活で、ここまで感じたことは、想定外だった。この想いをここに残す。
2021.3.20
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