#1 毒親が危篤
毒親に育てられた私
自力で毒親と絶縁してから約30年。
私は50代になった。
夫と子供2人の4人家族。
幸いにも負の連鎖を断ち切ることができ、子供たちとも良好な関係を築くことが出来ている。
私が子供の頃にしたかったように---
平凡な幸せをかみしめて過ごしていたところに、ふと、毒親が危篤という知らせが届いた。
やはり最後まで私のことを苦しめるらしい。
歴史は繰り返す
この言葉に苦しめられてきた。
子供を持つと決めた時から、私は決して同じことはしないと心に硬く誓った。夫にも私が少しでも毒親の予兆がみられたら遠慮なく指摘してほしいとお願いした。
子供がイヤイヤ期の頃についヒステリックな声を出しかけ・・・
フラッシュバックのように母親の姿と重なった。
はっ、と我に返り声を抑えることができた。涙が出た。
負けない。同じことはしない。負の連鎖は私が断ち切る・・・
ひたすらこれを繰り返した。
子供たちは大学生、高校生になった。
親バカだがとても素直な優しい子に育った。
朝ごはんやお弁当にも、毎日のようにありがとう!と言ってくれたり、忙しくしていると体調を気遣ってくれたりもする。
家族が健康で笑顔で過ごしている---。何よりの幸せだ。
危篤の知らせ
それはふいにやってきた。
「母親が倒れて運ばれた。危ないからいちおう知らせておく---」
弟からの連絡だった。
30年近く会っていない母親に対して、感情はないに等しかった。
冷たいと言われようが、正直な気持ちだった。たぶん、感情がなくなるまで10年以上はかかったと思う。
なのでしばらくは何も考えられず、ようやく事態を理解した後に、今度は新たな感情が襲ってきた。
どうしたい?どうすべき?
この答えを出すために、生い立ちから振り返ってみようと思う。