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老いと(楽器と)ともに生きる
先日、42歳の誕生日を迎えた。また一つ年を取った。
気持ちはずっと10代、20代のままだけれども、身体はそうはいかない。なんだかよくわからないけれど、かがむと足が痛くなったり、暑いからって冷たい飲み物や食べ物ばかり食べていると胃が痛くなってきたりして、身体のあちこちから色んな不調が出てくる。
これが「老い」なのか。
ヴァイオリンやヴィオラを練習しててもそうだ。
1時間から1時間半経過してくると、なんだか鼓膜がおかしくなったりする。聞こえなくなるというわけではないが、エレベーターで上の階に行ったときみたいになる。
いい大人になってから楽器をスタートした人にとっては、身体の不調との向き合い方も大事かなと最近思う。
特に弦楽器は身体に悪い楽器としてよく上位にランクインされる。
ヴァイオリンやヴィオラは、そもそもその構え方が日常生活にあまりない体勢なので、慣れないと首や肩、腕にも余計な力が入って痛めやすかったりするだろう。
そういう楽器の特徴もあることから、練習をするときは、自分の身体の状態を最優先にして取り組むようにしている。
特に今は泊まり勤務をしているが、職場では、まともに睡眠時間を確保できないことが多い。そんなもんだから、家に帰ってからもすぐにあれこれ動くことができない。まずは、仮眠しないと。
いの一番にすることは、自分自身の身体の状態、メンタルの状態を心地いいところまで整える。そうした上で、練習したいなら、する。
Xでは、皆さん、非常に熱心で毎日練習を頑張っていて、それを見て励みに思うこともあれば、皆さんのように練習できていない自分自身に負い目を感じることもある。
自分だって、弦楽器、うまくなりたい。毎日練習したい。
でも、自分の体力にも限界があるし、それぞれの環境や状況も異なる。
他人の様子が気になり始めたら、必ず、自分に意識を戻すように心がけている。
「今、自分は練習できる状態?」
「疲れてない?」
「練習に行きたいけど、疲れている」
「休みたい」
「休んだほうが良さそう」
そんな声が聞こえてきたら、練習せずに身体を休めることに専念する。
ヴァイオリンやヴィオラと長く付き合っていくためにも、自分の「老い」としっかり向き合う。
そんなことが大事かなと思った夏の昼下がりだった。