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〜櫻塾のメソード演技〜新ためてのごあいさつ


ずいぶん長いことお休みしていましたが、ようやくノートの再開です。

咲良舎のホームページも長いこと更新していなくて(すみません)、守輪は?! レッスンは?! 一体どうなっているのか?! と、最近19年前の弟子から連絡があって反省しきり・・・(^0^;)

実は、コロナ禍の厳しい環境下にありましたが、幸いにも川崎で会場に恵まれ、週2回に分かれていたレッスンも1回にまとまって指導に集中しやすくなり、このところは充実した手応えが得られるようになってきています。


1982年、10年滞在したニューヨークから帰国して以来、日本に馴染みのない「メソード演技」をどう指導していこうか、当時から指導現場では常に闘いの繰り返しだったのですが・・・公演活動を通し、いろいろな演劇活動や人との出会いを通して、また失敗や成功を下敷きに、少しずつ気長に研究を進めてきました。どんなに方法論が良くても、実践と結果はまた別です。観客に説得力をもった俳優をどう育てていかれるか、システマチックな演技指導が果たして日本に育っていくのか・・・実践にはいろいろな課題がまだまだ山積みです。

スタニスラフスキー・システムに関しては、本国ロシアでさらに研究が進められ進化していくようです。近年、セルゲイ・チェルカッスキー氏の論文「システムがメソード演技に:スタニスラフスキー、ボレスラフスキーそしてストラスバーグ」が芸術学博士号を取得、ロシア・国家出版賞を受賞しましたが、その詳細にわたる素晴らしい研究により、ストラスバーグのメソード演技に新たな視点が生まれました。


日本はと言えば、スタニスラフスキー・システムもメソード演技も、それらを通してどんな演技を目指していこうとしているのか、なぜそれが大切なのか、本質的な理解も実践もなかなか進まない歯がゆさがあります。多くの国に広まり国際標準として知られるシステムですが、日本には歌舞伎という伝統的な素晴らしい演劇があるせいでしょうか、現代日本人の生活に根差した私たちの演技システムが育つにはとても時間がかかっています。

システムの必要性が認められ育っていくためには、現代の私たち日本人の生活や内面や人間関係、そして私たちが抱えている諸問題などを理解し、その上に則った指導者の力や、演劇への深い愛情、そして探求を続けるくじけない情熱が求められるのではないかと思うのです。

あらためてノートを再開するに際して、今一度、帰国以来途切れることなく続けてきた長年の指導や演出の経験を通して、また現在指導中の櫻塾のレッスンを通して、指導過程に出てくる問題などに触れながら、同時にストラスバーグの指導や当時のアクターズ・スタジオのセッションでの事などを振り返りながら、守輪の新しいノートを綴っていきたいと思います。

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