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自尊感情

 自尊感情とは、自分自身に対する評価を含む感情のことであり、自分の基盤となり、思考、行動を決定する。自尊感情が高ければ、失敗してもすぐに立ち直ることができるが、低い場合は不安感が高まったり、抑うつ状態に陥ったり、心理的健康を害する場合もある。このため、自尊感情は心理的健康度と関連すると言われている。

 精神分析家のStern,D.N.によると、自己感(自尊感情を含む概念)は、親との感情のやり取り(情動調律)が重要であるとし、これが極端に乏しい場合、子どもは世界と交流しているという感覚がつかめず、自分自身の存在を肯定できなくなってしまうとしている。

 精神科医のKohut,Hも、幼少期に両親によって賞賛され、共感的に理解されることによって、自尊感情が育まれると指摘している。その際、両親を万能で完璧なものとして体験しており、自己と両親との融合を経験しているが、徐々に両親が万能ではないことに気づき始める。その過程において、両親から得られた賛美や賞賛が内在化(自分の内面に取り込む)されて、自尊感情になるとしている。

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