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レジリエンス

 レジリエンスとは、Rutter,M.によって「深刻な危険性にもかかわらず、適応的な機能を維持しようとする現象」と定義づけられた用語である。困難に対する耐久力、抵抗力、柔軟性を意味するとされる。このレジリエンスが高い人は、たとえストレスフルな環境にあってもそれに耐え、適応的に生きることが可能であるといわれている。対してレジリエンスが低い人は、この環境に耐えることが困難であり、PTSDにもなりやすいとされている。
 家庭環境に著しい困難を抱えた子どものすべてが不適応を示すわけではなく、社会への積極的関心をもち、適応的な生活を可能とする子どももいる。このような困難に対して、レジリエンスは、不適応になる人とそうでない人の差異を明らかにする概念の一つとされている。またこのレジリエンスは、生得的な要因のみで規定される特性ではなく、発達的に変化する特性と考えられている。レジリエンスの概念を概念を初めて提唱したのは、Rutter,M.であるが、その後、多くの研究者が独自の視点でレジリエンスについて研究を進めており、健康教育としても、レジリエンスを強化するような介入が注目されている。
 
 

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