【猿でもわかるeスポーツ経営学】eスポーツチームの会計について【最終話】
経営学でいう会計とは、経営をお金の流れから捉え、経営に必要な情報を把握して記録、活用するための方法のことを言います。
健康診断行ったことある人ならわかると思いますが、血液採ったら大まかな健康状態がわかりますよね。
お金を血液と捉えるとわかりやすいかもしれません。
損益計算書(PL)、賃借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書(CF)のことを指す財務諸表。※CFについては上場会社にのみ作成義務があります。
経営に興味を持っている人なら聞いたことあるかもしれませんが、これを見たら会社のお金の流れを読むことができます。
PLとかBSとかCFとかわかんねーよ!詳しく教えろ!
って人はググるか税理士先生か銀行員に聞いてみてください。
多分聞いてもわからないと思います。
私は初見の時、数秒で頭爆発しました。
概要
会計という言葉をよく聞くのは皆さんがよく行くお店だと思います。
レジの上に「お会計」って札がぶら下がってたりしますよね。
序章から第四話までを読んでくれたらわかるように、プロeスポーツチーム含め、個人商店や会社、社員達は様々な経済的活動を行っております。
商品やサービスを認知してもらうためのマーケティング活動、具体的な商談を行ったり、商品・サービスを提供する営業活動など。
この様々な活動の内、会計上の取引と呼ばれるのは一部だけです。
代表的なもので言うと「商品の販売」や「代金の回収」でしょう。
そして、取引として認識されたものは仕訳され、会計帳簿に記録されます。
この会計帳簿に記録することを「簿記」といいます。
簿記により会計帳簿に記録された企業の活動(=取引)は様々な会計データ(代表的なもので「財務諸表」)にまとめられ、経営者や投資家などの「利害関係者」に報告されます。
利害関係者に対し、その活動を会計データに変換して報告すること、若しくはこの一連の流れのことを「会計」といいます。
よく簿記と会計を混同してる人いますが、簿記は会計の中で行われる一つの作業であり、同一ではありません。
会計と財務の違い
簡単に言うと、
○会計
会社の立場で会社に関する数字を取り扱うこと。
○財務
投資家の立場で会社に関する数字を取り扱うこと。
各々説明します。
✦会計について
会計は誰のために行うのかによって2つに分類されます。
まず、会社内部の人の為に会社に関する数字を取り扱うこと。
これを「管理会計」といいます。
例:経営者や従業員に向けた数字
もう一つは、会社外部の人のために取り扱うこと。
これを「財務会計」と言います。
例:株主、銀行、取引先など
・管理会計
経営者や従業員が意思決定を行うために数字を扱います。
設備投資をすべきか、事業撤退をすべきかなど。経営者が意思決定すべき事項は多岐にわたります。
・財務会計
会社外部の人のために数字を扱います。
株主であれば、会社に出資したお金の見返りである「配当」の原資となる会社の利益がいくらになったのかというところに最大の関心があります。
なので、一年間の利益や売上などを財務諸表で報告することは財務会計に含まれます。
このように、会社の状況を会社内外の多数の利害関係者に知らせるために、会計はなくてはなりません。
✦財務について
経営者が財務を行う場面は大きく分けて3つあります。
・投資対象を決める時
・資金調達方法を決める時
・配当を決める時
経営者は設備投資等の事業に関する投資から会社を買収する投資まで、幅広く何にいくら、いつ投資するのかを決めなければなりません。
次に、投資を手元にある自己資金で行うのか、借入金で行うのか、増資するのか、それぞれに一長一短があるので、資金調達方法を決めます。
最後に儲かった利益を株主に配当するのか、事業や会社に再投資するのかを決めなければなりません。
このように、財務では投資家の立場で会社が属する業界に関する数字も考慮に入れて、会社の数字を取り扱います。
また、会計で取り扱うお金は「利益」ですが、財務では「お金そのもの」を取り扱います。
さらに、会計で取り扱うお金は「過去」のお金ですが、財務では主に「未来」のお金を取り扱います。
とはいえ、ビジネスの現場では会計と財務を組み合わせて使うことが多くあります。
例えば、設備投資については、管理会計と財務の両方をみて判断します。
このように、ビジネスの現場では課題を解決する手段として会計も財務も同時に用いることが多いです。
あまり両者の違いに拘る必要がないので、ざっくりと理解しておく程度で大丈夫です。
活動について
会計では、企業の立場で企業の様々な活動を利害関係者に報告すると言いました。
もちろん、ビジネスとしてeスポーツチームを運営するのであれば、皆様のeスポーツチームも例外ではありません。
では、そもそも企業はどんな活動を行うのでしょうか。
すべての企業の活動は大きく3つに分かれます。
・お金を集める「財務活動」(投資、融資)
・集めたお金で投資をする「投資活動」(仕入れ、購入)
・投資したモノから利益をだす「営業活動」(販売、取引)
この3つの活動で得た「利益」は、再び投資に回したり、借りたお金の返済にあてたり、配当として出資してくれた株主へ分配します。
企業はこの3つの活動を通じてお金を増やし、循環させます。
そして、この企業の活動を数字で表しているのが「財務諸表」なんです。
まとめ
「eスポーツチームの」とタイトルで謳っているので、色々eスポーツチーム特有の会計があるかなぁ。って考えたんですけど、極論ありませんでした。
組織の数字については、企業もeスポーツチームも一緒なんだなぁって。
そう考えたら、綺麗事だけでeスポーツチームの運営なんて無理だとおもいました。
勿論、ビジョンや熱意、夢は大切ですが、現実を直視することも大切です。
ビジョン、熱意、夢があって、現実を直視するなんて言葉では簡単ですが、実際にそれをするとなると本当に辛いです。
私も6年前はその事態に心が壊れるかと思いました。
恐らく、序章から最終話まで読んでいただいているeスポーツチームを運営している方は、実際にこの記事のとおりにやってみて現実を直視したことと存じます。
その現実が夢に近ければ近いほど精神は安定しますが、ギャップが大きいと辛いですよね。
しかし、ビジョンと現実のギャップに恐れおののき、何もできないよりかは、達成してやるという熱意を忘れずに、ただひたすらに現実と向き合い、我々が一緒に手を取り合って、eスポーツ産業と文化を発展させましょう。
もし、私になにかできることがあれば、いつでも相談やご意見をください。
いつでもTwitterのDMでお待ち申し上げております。
それでは、長々とご精読くださいましてありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?