ADHDの偏食物語【改善のヒント】
前記事の続きです。
苦手な味覚:酸味、塩味
人生で一番嫌いな食べ物、それは漬物と酢の物です。最近は酢が健康にいいことも知り、自分のペースでトライアンドエラーを繰り返しながらレパートリーを増やしています。フルーツは未だに酸味が強いものが苦手ですが、酢の物の中でも、甘味を加えた「甘酸っぱい」であればいけるだとか、漬物でもダシの旨味を感じると美味しくいただけるとか。掛け合わせることで、お酢をつかった一品も、普段の食卓に並べられるようになってきました。
嫌いな食べ物:母方の煮物
嫌いな食器:料理を土色に見せる器
この2つは特に視覚に影響を与えているようです。具体的には醤油の煮魚と根菜の煮物や豚汁などで、これが内側が赤い器に入ってくると美味しく食べれたりもするのですが、白い器に入れられていたときは、食事の最後まで残して親に怒られたりしていました。
「手が濡れたくない」同様、食器まで変えてられるか!というお声が聞こえてきそうですね。しかし、発達障害とは、そんなことばかりです。特に、言葉の話せない乳幼児の時は本当に大変だと思います。言葉が話せるようになりましたら、子どもの「なんとなく」好き、嫌い、というものを具体的にカテゴリーに分けて分析していくのがおすすめです。
できるだけ早くご本人が自分の好みに気づき、栄養に関する知識を見つけ、栄養のある食材を好みの食べ方で食べられるようになれるといいと思います。
さて、ここでおさらいですが、私の感覚過敏には①味覚=味付け(甘味、苦味、塩味、酸味、辛味+旨味)、②食感(歯応え)、③視覚=彩り(器)、そして味や食感とは全く関係なく、皮膚が過敏なことによって口や手が汚れる食べ物が嫌いというような④口に入るまでの行程で抵抗がある=私の場合は触覚 といった主に4つの要素があります。
これまでの内容から、私なりに同じ境遇の方へのヒントをご提案できればと思います。
①まずは味付けの好みを把握する
真っ先に把握すると良いのが、甘味、苦味、辛味、酸味、塩味の好みです。
例え、食感や食材が好きなものでも、味付けが苦手だと全滅するからです。
下記、ブログからお借りしましたが、
このようなお子様の好みのチャートは作成されると良いと思います。
そして、苦手な味付けに関しては、他の要素と掛け合わせるということを試していくと、私のように「甘じょっぱいなら大丈夫」とか、「お出汁がベースなら大丈夫」など、工夫もしやすくなります。料理の幅を増やすには、下記③をご覧ください。
②自宅では食べられないのに、外食だと食べれた一皿があった時は写真を撮る
これは大チャンスです。食材や調理法が同じでも、器、盛り付け、食感(切り方)などに好みが隠れている可能性があります。是非写真を撮って真似をしてみてください。私の場合、生野菜のサラダが苦手でしたが外食では食べられることが多かったので、自分で作る時にも参考にしています。ケールやベビーリーフなどの柔らかい葉物を選んだり、くるみやナッツ、ポテトチップスなどを砕いて入れると歯応えが出たりして、食べられる組み合わせを把握できるようになりました。
③食の好みを知るには「フルコース」を経験する
私が独立してから自炊のレパートリーを増やす参考にしたのはフレンチのフルコースです。厳密に言うと、外食だと実家で食べれなかった食材や料理もで食べられることに気づき、自分でも積極的に参考にするようになったのです。柔らかいものが嫌いなお子様でしたら、何度か懐石/会席料理に連れていくのもいいかもしれません。
コース料理では、前菜、スープ、主菜①(魚)、主菜②(肉)、デザート…と、さまざまな調理法や食感が味わえて、見た目も美しい。自分の好みを知り、将来自分で作りったり食べたりしたい料理の幅が広がりました。
私の場合は特に「柔らかい」ものが好みなので原型を留めないフレンチがメニュー構成にちょうど良かったのです。苦手と思っていた酢の物でも、マリネとこのソースのならいける!だとか、この野菜、茹でてると嫌いだけどスープだととっても美味しい!だとか。食べれる食材の幅がぐんと広がりました。
最後に:ご家庭での料理を手伝ってもらう時は好きな一品を作らせる
ADHDなので、子供の時に教わった料理を大人になっても覚えていることなんてほぼありません。好物以外は。その上大人になって仕事を始めたころに実際に自炊をしようとする時は、お腹が空くと、料理をする気力が湧かないことがほとんどなのです。ですから、できれば加熱の手間が必要のない好みの冷菜は子供のうちから自分で作れるようにしておくと、大人になった時に身を助けます。
ご参考になれば嬉しいです。