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本日の一曲 vol.536 ソンゴイ・ブルース:祝福 (Songhoy Blues: Gara, 2024)

私たちは音楽を楽しんでいますし、この note も毎日音楽を紹介して、たくさんの方々にご覧になっていただいています。

しかし、音楽を忌み嫌って禁止する人々がいることも、また事実です。

アフリカ大陸の西アフリカにマリ共和国という国(首都バマコ)があります。この地域は1880年にフランスが侵攻し、1890年にはフランス領スーダンとなり、フランスの植民地支配を受けるようになりました。しかし、1960年にフランスから独立し、マリ共和国となりました。マリ共和国では、当初、軍事独裁体制が敷かれましたが、1992年からトゥーレ大統領の下で民主制が推し進められました。ところが、2012年、マリ北部のアザワド地域で内乱が起こり、現在、アザワド地域は、イスラム教の厳格派であるサラフィー主義の「アンサル・ディーン」が支配しています。

このマリ北部にトンブクトゥという古代都市で、パリ・ダカール・ラリーの通過地である州都があります。この州都もアンサル・ディーンの支配下にあり、アンサル・ディーンは、聖廟破壊を行うとともに、タバコ、アルコール、音楽を禁止しています。

本日ご紹介するバンド「ソンゴイ・ブルース」のギタリストであるガルバ・トゥーレ(Garba Touré)さんは、トンブクトゥの出身であり、アンサル・ディーンによって、トンブクトゥを追放され、マリの首都バマコに来て、同じ「ソンゴイ族」のメンバーを集めて、バンドを結成したのでした。バンド名の「ソンゴイ・ブルース」とは、ソンゴイ族のブルースという意味ですね。なお、ウィキペディアでは、「ソンガイ族(Songhai)」という表記になっています。

ソンゴイ・ブルースは、2013年、アメリカのヤー・ヤー・ヤーズ(Yeah Yeah Yeahs)のギタリスト、ニック・ジンナー(Nick Zinner, 1974年12月8日生)さんとコラボして、「Soubour(忍耐)」をリリースしました。この曲のライヴ動画です。

また、ソンゴイ・ブルースは、マリのミュージシャンを描いた2015年公開のドキュメンタリー映画「俺達は奴らに真っ先に殺される(They Will Have To Kill Us First)」に出演しました。

また、同年、Tiny Desk Concert にも出演しています。

ソンゴイ・ブルースは、今月(2025年1月)、ニューアルバム「遺産(Héritage)」をリリースし、このリリースに先行して、昨年11月に「祝福(Gara)」の動画を公開しています。この動画には「マリでは多くの子供たちが学校に通えず、家庭が彼らの信仰を形成し、彼らが受ける唯一の教育を提供しています。 この曲は、子供たちが人生で祝福を得るために両親の話を聞くことについて歌っています。」というコメントがついています。

アルバムのプレイリストと音盤案内です。

(by R)

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