本日の一曲 vol.179 ザ・ローリング・ストーンズ ホンキー・トンク・ウィメン (The Rolling Stones: Honky Tonk Women, 1969)
ホンキー・トンクとは、アメリカの主に白人が集まる安酒場という意味だそうです。ホンキー・トンク・ミュージックとは、その酒場での音楽であり、いわゆるカントリー・ミュージックのことかと思います。
そのホンキー・トンクではイカした女がたむろしていたようで、「ホンキー・トンク・ウィメン」とは、その女達のことです。歌詞の大意は…説明不要かと思います。
先日、クリームのホワイト・ルームを紹介しました。そこで、シングルの日本盤のジャケットについて言及しました。ローリング・ストーンズの「ホンキー・トンク・ウィメン」は「ホワイト・ルーム」のおよそ1年後にリリースされたものです。こちらのジャケットもドラマ仕立ての一風変わったものです。左から、バーテンダー風のジミー・ミラー(Jimmy Miller)さん、満面の笑みのホンキー・トンク・ウーマンその1、その1を口説いて交渉が成立した様子のミック・ジャガー(Mick Jagger)さん、ミックさんの連れであるチャーリー・ワッツ(Charlie Watts)さん、微笑むホンキー・トンク・ウーマンその2、ワケありのキース・リチャーズ(Keith Richards)さん、そして、制服姿のビル・ワイマン(Bill Wyman)さんが見えます。それにしてもホンキー・トンク・ウーマンお二人の存在感たるや、立派なものです。
ところで、この曲の始まりからカウベルが鳴っていますが、このカウベルはチャーリーさんが叩いているのではなく、バーテンダー風のプロデューサーであるジミーさんが叩いているそうです。ちなみに、ライブではカウベルからではなく、ギターから始まっているものもあります。
この曲のレコーディングには、ミック・テイラー(Mick Taylor)さんが参加しており、ストーンズ結成時からのブライアン・ジョーンズ(Brian Jones)さんは参加していません。1969年6月8日にミックさん、キースさん、チャーリーさんの3人でブライアンさんのところへいき、「ストーンズを辞めてくれ」という話をし、ブライアンさんはこれに同意して、6月9日にブライアンさんはストーンズ脱退の声明を発表しました。そして、7月3日にブライアンさんが自宅のプールで死んでいるのを発見され、その翌日である7月4日にこのホンキー・トンク・ウィメンがリリースされました。
このシングルのB面には、名曲「無情の世界(You Can't Always Get What You Want)」が収録されていますが、これはアルバム「レット・イット・ブリード」に収録されているものとは別のショート・バージョンになっています。
(by R)