本日の一曲 vol.78 マスカーニ カヴァレリア・ルスティカーナ 間奏曲 (Pietro Mascagni: Cavalleria Rusticana Intermezzo, 1890. cf. Karajan)
マスカーニ作曲のオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、ジョヴァンニ・ヴェルガ(Giovanni Verga)さんの小説・戯曲を題材にしたもので、そのイタリア語の題名は「田舎の騎士道」という意味です。
オペラの舞台は、イタリアの田舎であるシチリアの復活祭の日、主役は、サントツアというソプラノで、彼女の彼氏(トリド)が昨晩元カノ(ローラ。人妻!)と逢っていたらしいと嫉妬して、彼氏本人を問い詰めるのですが、彼氏は取り合わないので、元カノの夫(アルフォ)に話してしまう(田舎なのでみんな顔見知り)のです。それを聞いた元カノの夫は激怒!果たしてどうなるのか!というのがオペラの筋です。
大体、オペラはソプラノが主役、テノールが準主役、その他は脇役ということになっています。カヴァレリア・ルスティカーナの場合、サントツアは原作の小説では脇役でしたが、オペラでは主役に抜擢されたわけです。
カヴァレリア・ルスティカーナは、ルッジェーロ・レオンカヴァッロ(Ruggero Leoncavallo)さんの「道化師」と並んで、ヴェリズモ・オペラの代表作とされ、上演時間も1時間程度と短いことから、上演されるときも同じく上演時間の短い道化師との2本立てで行われることが多いです。ヴェリズモ・オペラというのは、一般市民のありふれた生活を題材にしたものと理解しておけばよろしいかと思います。
本日ご紹介する「間奏曲」は、妻の不貞を聞かされたアルフォが激怒した直後に演奏される曲です。この間奏曲は、マスカーニさんがこのオペラに着手する前から曲想を得ていたようです。アルフォの激怒とは裏腹にとても優しく美しいメロディーの曲で、いつまでも終わってほしくないと思っていると終わってしまうという儚さも持ち合わせている曲です。
この曲だけでなく、他にもわかりやすい曲がたくさん入っていますので、全曲鑑賞をおすすめします!オペラ対訳プロジェクトさんの動画で、名盤であるカラヤン盤をご紹介します。音楽の友社の「新時代の名曲名盤500+100」でも同曲第3位です。動画はちょうど間奏曲に飛ぶように設定してあります。
ちなみに、この間奏曲は、フランシス・コッポラ監督「ゴッドファーザーPart3」の最終盤でマイケル・コルレオーネの慟哭と共に流される曲でもあります。
オペラの舞台については、こちらからご覧ください。
(by R)