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本日の一曲 vol.474 ビーチ・ボーイズ キャロライン・ノー (The Beach Boys: Caroline, No, 1966)

ビーチ・ボーイズの大名盤と言われるアルバム「ペット・サウンズ(Pet Sounds)」のラストを飾る「キャロライン・ノー」です。変わってしまった女の子への、おそらく思春期の男の子の絶望を歌った歌だと思います。

「ペット・サウンズ」は何しろ大名盤であり、いろいろな人が一家言を持っています。同時代のイギリスのバンドであるビートルズのアルバム「ラバー・ソウル(Rubber Soul, 1965)」を超える作品を作りたいということで、ビーチ・ボーイズのリーダーであるブライアン・ウィルソン(Brian Douglas Wilson, 1942年6月20日生)さんがほぼ一人で制作したアルバムであり、出来上がったアルバムを聴いたビートルズのポール・マッカートニー(Paul McCartney, 1942年6月18日生)さんが「ペット・サウンズ」を超える作品を作りたいということで、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band, 1967)を制作したという有名なエピソードがあります。この二人は誕生日も近くて、同じ双子座ですね!

「キャロライン・ノー」で聞かれるドラムのフィルイン(動画の1:37あたり)は、ほぼそのままの形でビートルズの「サージェント・ペパーズ」のラストを飾る「ア・デイ・イン・ザ・ライフ(A Day In The Life)」に使われていると思います(以下の動画の0:46あたりなど)。

ただ、「サージェント・ペパーズ」のアルバム・ジャケットにはビーチ・ボーイズは登場しません。その理由をChatGPTに尋ねてみました。

「ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のアルバムジャケットに、ビーチ・ボーイズが登場しない理由については、公式な記録はありませんが、いくつかの推測や背景を考えると理解が深まります。

1. 選ばれた人物の基準

  • ジャケットに登場する人物は、ビートルズのメンバーがそれぞれ「尊敬する」「影響を受けた」有名人を選びました。ただし、全員が同意する必要があり、アートディレクターであるピーター・ブレイクとジョン・ハミルトンが最終的なデザインを統括しました。

  • 選ばれた人物は歴史的、文学的、文化的な影響を持つ人々が多く、現役の同時代アーティストはあまり含まれていません(例外として、ボブ・ディランは選ばれています)。

2. 音楽的競争と意図的な除外?

  • ビーチ・ボーイズは当時、ビートルズと並ぶ音楽的なライバルと見なされていました。『Pet Sounds』はビートルズに大きな影響を与えましたが、それと同時にビートルズにとっても「超えなければならない作品」として意識されていました。

  • そのため、ビートルズが意図的にビーチ・ボーイズを含めなかった可能性も考えられます。ただし、これは推測の域を出ません。

3. アメリカとイギリスの文化的距離

  • ジャケットには、ビートルズにとって親しみのあるイギリス文化のアイコンが多く含まれています。ビーチ・ボーイズはアメリカを代表するアーティストであり、その文化的背景がジャケットのコンセプトと一致しなかった可能性もあります。

4. デザインや権利の制約

  • ジャケットのデザインにおいては、選ばれた人物やその肖像の権利関係の問題も考慮されました。一部の候補は許可が下りなかったり、最終的なデザインから外されたりしました。

  • 例えば、マハトマ・ガンジーやヒトラーは当初含まれる予定でしたが、最終的に削除されています。ビーチ・ボーイズが候補に挙がっていたとしても、同様の理由で外された可能性があります。

結論

ビーチ・ボーイズがジャケットに登場しない理由は明確ではありませんが、音楽的競争や文化的背景、デザインの制約など、複数の要因が絡み合っていると考えられます。興味深いのは、両バンドが互いに大きな影響を与えつつも、それぞれの個性を維持し続けたことです。」

さて、「キャロライン・ノー」に戻りますが、この曲の最後に現れる犬の吠える声と列車の音はとても印象的です。これらはブライアンさんが飼っていたビーグル犬の「バナナ」とワイマラナー犬の「ルイ」が吠える声と、1963年リリースの列車の音ばかりが録音されたアルバム「Mister D's Machine」に収録されていたカリフォルニア・エジソンの58番列車「フクロウ(The Owl)」の音をサンプリングしたものです。

この音について、ブライアンさんは1996年のインタビューで、「(何を考えていたのか)よくわからない。その質問には答えられない。…テープレコーダーを持って行って、彼らの鳴き声を録音した。それから私たちは階下に行って、効果音のテープを調べていたら、電車の音を見つけた。それで、それを全部組み合わせたんだ」と答えています(英語版Wikipedia)。

筆者は、最初に聴いたとき、なぜか、列車の音はまるで違いますが、夕暮れ時の江ノ島電鉄(都電でもいいかもしれません)が思い浮かんできました。

過去の記事では、「ペット・サウンズ」に収録された「スループ・ジョンB」を紹介したことがありました。ただ、この曲は「ペット・サウンズ」の中では異質な曲かもしれませんね。

先ほどご初回したブラッド・ミラー(Brad Miller)さんのアルバム「Mister D's Machine」のプレイリストです。

音盤案内です。

(by R)

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