本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第49番 受難 (Sinfonia No.49 "La Passione", 1768)
交響曲第49番は、自筆譜が残り、そこに1768年とあることから、その年に作曲されたものと考えられています。「受難」という愛称は、教会ソナタ形式であること、調性が短調であること、「疾風怒濤(シュトゥルム・ウント・ドラング)」時代に作曲されたものであることから、つまり、曲の雰囲気から付けられたものです。しかし、最近では、研究により、「陽気なクエーカー教徒」という劇の劇音楽だった可能性が指摘されています。曲全体からは、あまり宗教的な薫りはしません。
緩徐楽章から始まるいわゆる教会ソナタの形式としては最後の交響曲です。
交響曲第49番ヘ短調「受難」(Sinfonia No.49 F Dur, Hob.I:49)
第1楽章 Adagio ヘ短調のアダージョです。以下の楽章もヘ短調に支配されています。
第2楽章 Allegro di molto 「受難」というイメージにふさわしい悲劇的な楽章です。
第3楽章 Menuet & Trio 短調に支配されているものの、静かな悲しみのメヌエットです。
第4楽章 Finale. Presto こちらは劇的なフィナーレです。
クラウス・マケラ(Klaus Mäkelä)さん指揮オスロ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏です。ちょっと珍しい演奏ですが、「受難」の前にイギリスの作曲家ヘンリー・パーセルさんの「行進曲」が演奏されています。
バーバラ・ハニンガン(Barbara Hannigan)さん指揮フランス放送フィルハーモニー管弦楽団(l'Orchestre philharmonique de Radio France)の演奏です。
(by R)
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