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本日の一曲 vol.465 マウント・イーリー 巨大な火 (Mount Eerie: Huge Fire, 2024. cf. Bruckner & Celibidache)

マウント・イーリー(「不気味な山」という意味)は、アメリカ・ワシントン州アナコルテス出身のフィル・エルベラム(Phil Elverum, 1978年5月26日生)さんのプロジェクトです。

フィル・エルベラムさんは、マイクロフォンズ(The Microphones)というバンドで、「水」「火」「山」をテーマにして音楽を展開するなどの活動をしており、つぶやき系のボーカルと時たまノイジーな演奏からなる音楽でした。マイクロフォンズの2000年にリリースされた「水」をテーマにしたアルバム「It Was Hot, We Stayed in the Water(『暑かったので水の中にいた』という意味)」から、「The Pull」です。

アルバムのプレイリストです。

マイクロフォンズは、「山」をテーマにしたアルバム「マウント・イーリー」をリリースしましたが、フィルさんは、次に「山」というコンセプトを中心にしたプロジェクトを初め、「マウント・イーリー」と名付けました。

2024年11月の今月、「マウント・イーリー」から、フィルさんによると「禅」に影響されたというニューアルバム「ナイト・パレス(Night Palace)」がリリースされましたので、このアルバムから「Huge Fire(『巨大な火』の意味)」をご紹介します。こちらも、主につぶやきボーカルとノイズから成る音楽です。

アルバム「ナイト・パレス(Night Palace)」のプレイリストです。

ところで、「禅」というと、日本では「座禅」とか「禅宗」をイメージしがちだと思いますが、「ナイト・パレス」のアルバム・アートを眺めていると、欧米人にとっては、もしかすると、それよりも欧米人に人気のある「枯山水」をイメージしているのではないかと思えてきます。フィルさんは、今回のアルバムが「禅」に影響されたと話している、その意味は「枯山水」のことを指しているような気がします。

「枯山水」で思い出されるアルバムアートは、セルジウ・チェリビダッケ(Sergiu Celibidache)さんとミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(Münchner Philharmoniker)とのコンビによるブルックナー・シリーズでした。

ブルックナー(Anton Bruckner)さんのミサ曲ヘ短調からキリエ(Kyrie)とアルバムのプレイリストです。

(by R)

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