本日の一曲 vol.299 ダムド ルッキング・アット・ユー (The Damned: Looking At You, 1979)
ダムドは、ロンドン・パンクにおける3大パンク・バンドの一つと言われています。他の2つは、セックス・ピストルズ(Sex Pistols)とクラッシュ(The Clash)です。セックス・ピストルズが仕掛人マルコム・マクラーレン(Malcolm McLaren)さんの積極的なプロモーションにより、センセーショナルな活動が目立ったバンド、クラッシュが社会派であり、音楽的にもパンクだけでなくワールドワイドな視点をもっていたバンドだったのに対し、ダムドは、ひたすらパンク・ビートを追求したバンドといってよいかと思います。
ダムドは、1975年の結成以降、解散、再結成を繰り返し、なんだかんだと現在も活動を続けていますが、中心メンバーは、ヴォーカルのデイヴ・ヴァニアン(Dave Vanian)さん、ギターのキャプテン・センシブル(Captain Sensible)さん、ドラムのラット・スケイビーズ(Rat Scabies)さんです。
ダムドは、1976年10月にデビュー・シングル「ニュー・ローズ(New Rose)」をリリースし、そのB面はビートルズ(The Beatles)の「ヘルプ!(Help!)のカバーでした。
動画でヴォーカルのデイヴさんは吸血鬼の格好をしていますが、これがデイヴさんのトレード・マークです。そして、B面の「ヘルプ!」です。
オリジナルはこちら。
その後、1977年2月にファースト・アルバムの「地獄に堕ちた野郎ども(Damned Damned Damned)」をリリースします。このアルバムのジャケットには「DAMNED」としか書かれてないのですが、なぜか3回繰り返します。プロデューサーは先日ご紹介したニック・ロウ(Nick Lowe)さんでした。
そして、同じ年の11月には、ピンク・フロイド(Pink Floyd)のドラマー、ニック・メイソン(Nick Mason)さんのプロデュースで、セカンド・アルバム「ミュージック・フォー・プレジャー(Music for Pleasure)」をリリースしました。本当は、シド・バレット(Syd Barett)さんにプロデュースを頼みたかったらしいのですが、それが叶わず、ニック・メイソンさんになったということです。
その後、ダムドは、解散、再結成を経て、1979年11月に3枚目のアルバム「マシンガン・エチケット(Machine Gun Etiquette)」をリリースしました。このアルバムは、後に名盤と言われるようになるアルバムで、このアルバムの筆記体で書かれた「Machine Gun Etiquette」を読み間違えて「ミッシェル・ガン・エレファント(Thee Michelle Gun Elephant)」というバンド名になったというエピソードは有名です。
この「マシンガン・エチケット」の冒頭の2曲「ラヴ・ソング(Love Song)」と「マシンガン・エチケット(Machine Gun Etiquette)」は、絶対に続けて聴かなければいけない楽曲なので、プレイリストの方で聴いてください(ただビニール盤のオリジナルは曲間がなく、切れ目がありません)。
この中の曲で、「ルッキング・アット・ユー」を紹介します。アメリカのMC5を彷彿とさせる曲です。
MC5の「キック・アウト・オブ・ザ・ジャムス(Kick Out The Jams)」から「ボーダー・ライン(Borderline)」。
追伸(2024/06/06)
「ルッキング・アット・ユー」について、「アメリカのMC5を彷彿とさせる曲です。」などと書いてしまいましたが、彷彿とさせるどころか、MC5のカバー曲でした。すみませんでした。1968年にシングル曲としてリリースされ、1970年リリースのスタジオ・アルバム「バック・イン・ザ・USA(Back In The USA)」に収録された曲です。
また、noteでもダムドの記事がたくさんあり、いくつかご紹介します。
(by R)