本日の一曲 vol.77 スクリャービン ピアノ・ソナタ第2番「幻想ソナタ」 (1897, Alexander Scriabin: Piano Sonata No.2 Sonata-Fantasy)
アレクサンドル・スクリャービン(Alexander Scriabin)さんは、1872年にモスクワに生まれたロシアの作曲家です。スクリャービンさんは、10歳で陸軍の学校に進学しますが、モスクワ音楽院に転学し、そこでピアノと作曲を学びました。同級生にはセルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninoff)さんがいました。
写真の前列1番左がスクリャービンさん、その右隣がピアノの先生だったニコライ・ズヴェーレスさん、後列右から2番めがラフマニノフさんです。スクリャービンさんは、1892年、20歳のときにモスクワ音楽院を卒業し、1894年、22歳のときにサンクトペテルブルクでピアニストとしてデビューしました。
本日ご紹介するピアノ・ソナタ第2番嬰ト短調作品19は、モスクワ音楽院を卒業する頃に作曲に着手された曲で、2つの楽章からなる曲です。第2楽章のほうが先に作曲されたようで、当時、スクリャービンさんはアドリア海に住んでいたそうです。その後、スクリャービンさんが新婚当時である1897年にクリミア半島を訪問したときに第1楽章が作曲されたようです。
スクリャービンさん自身の説明によると、第1楽章は、「南国の海辺の夜の静けさと深い海の動揺、それに宵闇の後に現れる愛撫するような月の光」を表現し、第2楽章は、「嵐に波立つ広大な海の広がり」を表現しているそうです。
スクリャービンさん自身が若く、また、結婚という時期に作曲された曲であり、ロマンチックな曲になっています。
さて、演奏は、Brilliant Classics提供ヴィンチェンツォ・マルテンポ(Vincenzo Maltempo)さんのスクリャービン・ピアノ・ソナタ全集からお聴きください。ちょうど第2番のところから始まるように設定してあります。
少し先になりますが、弊社が主催する来年1月27日の新井ひな乃&杉原梨心Piano Duo Concertでは、この曲を演奏しますので、ぜひお越しください!
(by R)