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本日の一曲 vol.458 アメリカ サンドマン (America: Sandman, 1971)

「サンドマン」「砂男」のことはご存知でしょうか。

もともとはドイツなどの民間伝承に登場する妖精「睡魔」で、姿は目に見えませんが、眠気を誘う魔法の砂が入った大きな袋を背負っており、夜になると、人の目にこの砂を投げ込むので目が開けられなくなり眠ってしまうという言い伝えがあります。夜、寝ない子に「サンドマンが来るぞ」と脅かして寝かしつけるという寸法です。

この「サンドマン」を題材としたものには、古くはホフマン(Ernst Theodor Amadeus Hoffmann, 1776年1月24日生~1822年6月25日没)さんの「砂男」があります。これは不気味なお話ですが、レオ・ドリーブ(Léo Delibes)さんのバレエ「コッペリア(Coppélia)」やジャック・オッフェンバック(Jacques Offenbach)のオペラ「ホフマン物語(The Tales of Hoffmann)」の題材にもなっています。

日本では、藤子不二雄さんの「ドラえもん」の「ねむれぬ夜に砂男」のお話には「砂男式さいみん機」が出てきます。こちらは説明不要ですね。

最近では、アメリカン・コミックでニール・ゲイマン(Neil Gaiman, 1960年11月10日生)さんの「サンドマン(The Sandman, 1989~1996)」があります。これはダーク・ファンタジーです。

そして、メタリカ(Metallica)の「エンター・サンドマン(Enter Sandman, 1991)」です。悪夢、夜の恐怖、不安、心の闇を歌っています。

さて、本日の一曲としてご紹介するのは、アメリカの「サンドマン」です。

「アメリカ」は、ロンドンに駐留していたアメリカ空軍兵士の息子として、デューイ・バネル(Dewey Bunnell, 1952年1月19日生)さん、ダン・ピーク(Dan Peek, 1950年11月1日~2011年7月24日)さん、ジェリー・ベックリー(Gerry Beckley, 1952年9月12日生)さんの3人がロンドンで出会って結成したフォーク・ロック・バンドです。

1972年1月にセルフタイトルのデビューアルバムがリリースされ、このアルバムがアメリカで大ヒットしました。ネイティヴ・アメリカン(いわゆるインディアン)の絵を背景にしたジャケットがとても印象的なアルバムです。

その後、シングルとして有名曲「名前のない馬(A Horse With No Name)」も大ヒットし、デビューアルバムの再発盤には、「名前のない馬」も併せて収録されるようになりました。

このデビューアルバムに「サンドマン」が収録されています。この曲の中で「サンドマン」は、当時のアメリカにおける社会不安やベトナム戦争を背景にして、眠りと悪夢のイメージの象徴として登場し、戦争に行った兵士の心の傷やトラウマを暗示しています。

アルバムのプレイリストです。

(by R)

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