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本日の一曲 vol.266 ヤナーチェク ピアノ・ソナタ 「1905年10月1日の街角で」 (Leoš Janáček: Sonatá pro klavírní "I.X. 1905, Z ulice", 1906)
レオシュ・ヤナーチェクさんは、1854年7月3日、チェコのモラヴィアで生まれた作曲家です。同じチェコと言っても、ベドルジハ・スメタナさんやアントン・ドヴォルザークさんは西部のボヘミア出身であり、ヤナーチェクさんの出身地のモラヴィアはチェコの東部になります。
ヤナーチェクというと、有名なのはオペラ「利口な女狐の物語」だと思いますが、それでもあまり親しみはなかったと思います。日本で一躍有名になったのは、2009年に発表された村上春樹さんの小説「1Q84」の冒頭でヤナーチェクさんの「シンフォニエッタ」が取り上げられてからだと思います。
マルク・アルブレヒト(Marc Albrecht)さん指揮オランダ・フィルハーモニー管弦楽団(Netherlands Philharmonic Orchestra)の演奏です。
本日ご紹介するのは、ヤナーチェクさんの唯一のピアノ・ソナタ「1905年10月1日」です。その日に何が起こったのかといいますと、チェコは16世紀以降ハプスブルク家の支配下にありましたが、19世紀のオーストリア=ハンガリー帝国の成立後、独立の気運が高まっていた中、1905年10月1日、チェコ人のデモ隊と軍が衝突し、フランティシェーク・パヴリーク(František Pavlík)という20歳の労働者が死亡する事件が起きたのです。ヤナーチェクさんは、この事件に抗議の意味を込めて、この曲を作曲したのですが、ルドミラ・トゥチコヴァー(Ludmila Tučková)さんの初演後、曲の出来具合に不満だったヤナーチェクさんは、楽譜を捨ててしまいました。ところが、1924年、ヤナーチェクさんが70歳のときに、ルドミラさんが楽譜のコピーを持っていることをアナウンスして、再びこの曲が陽の目を見たのです。
ルドルフ・フィルクスニー(Rudolf Firkušný)さんの演奏です。第1楽章には「予感」、第2楽章には「死」という題がついています。
来たる5月18日、弊社主催のYoung Artist 支援プロジェクトの「渡部桃子ピアノリサイタル」で渡部桃子さんがこの曲を披露しますので、ぜひお越しください。
ヤナーチェクさんについては、「日本ヤナーチェク友の会」のサイトがとても参考になりますので、ぜひご覧ください。
また、松本武巳さんの記事もご覧ください。
(by R)
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