国政政党+αのマニフェストを読んだ上で感じたこと

本来ならば与党第一党たる自民党のマニフェストが出た上で比較するのが筋なのだろうと思うが、とにかく物書きへの復帰を果たしたいという想いが強いのでつい書いてしまった。

とはいっても加筆も考えているし基本的に書くことは比較というより各々の政党や政治団体がどのように変化しているか、ということなので最低限の質は確保出来たと思いたい。それでは本文に入らせていただく。

(1)立憲民主党
まず第一の印象としてコロナにまつわる政策を一気に四番目の項目まで前回衆院選の政権公約と比べて下げたのが印象的である。個人的な感想を挟むのだとすればむしろ他党がコロナ政策をこの段階で過度に強調しすぎてると思うので評価はしたいと思う。それでは個々の政策を見た上で気になった点を見ていこうと思う。

立憲民主党が公約の先頭に掲げたのは『物価高と戦う(暮らしを守る)』というものである。これは前回衆院選でも『暮らしの安心への投資』と銘打って掲げられていたものであるが、前回衆院選の時と違って『家計負担の軽減』や『トリガー条項の発動』などかなり国民民主党を意識した内容になっている印象を受けた。立憲民主党という政党が曲がりなりにも中道化している表れなのだろうか。

大まかな印象論はこのあたりにしてここからは主に前回衆院選や他党と比較した上で実際に気になった公約を引用しながら読み解いていきたい。

>円安放置の金融政策の見直し

『円安の進行とそれによる「悪い物価高」をもたらす「異次元の金融緩和」については、物価安定目標を前年比上昇率2%とした政府と日銀の間の取り決め(共同声明)を見直すなど、市場との対話を通じながら、見直しを進めます。』

まず先頭に掲げたのが上記引用部分である。個人的な印象で言えば次期日銀総裁への注文など強硬な対応策を掲げていない印象を受けた。

出口戦略自体は旧民主党時代からかつての『無所属の会』系議員を中心に唱えられてきたことなので、正直に言えば今の立憲民主党が掲げること自体は違和感はないのだが、その一方でれいわ結党以来急速に進んだ野党の積極財政への転身の影響は日銀との関係性にまで影響を与えているのかと思わせるところがあった。

とはいえ岡田克也氏の重用などを見るとこの公約を第一に掲げてなおかつ不信任案提出の理由にもした以上ある程度は選挙戦で訴えていくことになるのであろう。それでは次に進ませていただく。

>『賃貸住宅の家賃については、給付条件を整理した上で月10,000円を補助します。』

住宅手当は立憲民主党が長年取り組んできた政策といっていいだろう。ただ一方で前代表時代と比べて微妙な表現の変化を感じ取った。以下に2021年の『政権公約』を引用する。

>『低所得世帯を対象に家賃を補助する公的な住宅手当を創設します。』

こう見ると支給対象は広くなった反面『賃貸住宅』という政権公約にはなかったしばりが生じていると受け取れる。金額に関しては比較のしようがないのでコメントは避けるが、ここにも支給対象を全方位的に拡大しようとする近年の風潮や『ベーシックサービス』の考えが反映されていると言えるだろう。

それでは次に進もう。

>『市町村立の小規模高校の設立や、フリースクールへの支援拡充、夜間中学の設置促進、オンライン学習等の積極的活用、周辺学校との連携強化を推進します。』

不登校を巡る問題はコロナ禍を経て一段と注目されるようになった印象を受ける。個人的に気になったのはオンライン学習等の積極的活用という箇所だろうか。GIGAスクール構想はインターネット上では懐疑的な意見が散見されるが、野党にもある程度受け入れられていることが把握できた。

その他安全保障分野では大幅に前回衆院選と比べるとボリュームが増している印象を受けた。以下にとくに注目した部分を書き出したい。

>『国際法に則り、北方領土問題、竹島問題の解決に全力を注ぎます。』

実はこの公約は前回衆院選でも掲げられた公約であるが、若干の修正点があったので以下に前回衆院選の該当箇所を引用したい。

>『国際法に則り竹島、北方領土の問題解決に全力を注ぎます。』

お分かりいただけただろうか?北方領土問題と竹島問題の順番が逆転しているのだ。政党を問わず対ロシア外交に関しては強硬な態度を示しているが、立憲民主党も例外ではないどころか細部にまで配慮して全面に打ち出している印象を受けた。対ロシア外交は保守政党への反撃になるという志を感じられた。

まだまだあるが、続きは後日公開したい


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