5回目のお遍路

3月19日(日)~21日(火)

1日目
 12月~2月の極寒期も過ぎ、3月に入り、お遍路を再開しました。今回は、昨年最終の国分寺からのスタートです。
 これまでは、徳島起点のスタートでしたが、今回からは高知。前日の18日、仕事を終え、高知へ向かいました。岡山まで新幹線、岡山からは、南風27号という特急列車に乗り換えますが、列車が入ってきた途端、テンションが急上昇。別名アンパンマン号のこの電車は、車体全体にアンパンマンのラッピング。さらに、グリーン車では、座席も天井も全てがアンパンマンでした。私達は、残念ながら普通車でしたが、それでも、天井にはアンパンマン。たったこれだけのことでしたが、何となくウキウキした気分になりました。
 高知駅には、12時6分に到着。駅前のホテル到着後は、翌朝も早いので、さっさと眠りにつきました。
 
 翌朝は4時起床。買っておいたパンを頂き、5時10分にホテルを出発し、5時41分の阿波池田行きワンマン普通列車に乗りました。5時58分、御免駅に着き、予約していたタクシーで、前回最終の国分寺へ向かいました。
 6時8分、国分寺を出発し、次の30番善楽寺へは、7時30分に到着。途中で見た朝日が美しかった!早速御朱印を頂き、8時に善楽寺を後にしました。少し肌寒いけれど、上々のお天気です。

 次は31番竹林寺。竹林寺は標高140mの五台山にあるお寺ですが、これに隣接しているのが、県立牧野植物園という、広大な植物園。ここは、世界的な植物学者、牧野富太郎を記念して造られた植物園で、時間が許すならば、ぜひ訪れてみたいと、密かに思っておりましたが、気が付けば、植物園の敷地に足を踏み入れていたのでした。そして、時間的にも余裕があったので、牧野富太郎記念館に立ち寄り、牧野の生い立ちや膨大な業績を見ることができました。植物図鑑でよく見かける緻密なスケッチや植物標本なども展示されていて、ほんの1時間程度でしたが、牧野富太郎という偉大な人物の一部に触れることができました。
 植物園の南入口を出ると、そこが竹林寺の入口で、11時に到着し、11時30分にお寺を出発しました。次は8㎞先の32番禅師峰寺。
歩く速度も衰えることなく、13時に到着。13時30分にお寺を出発しました。

 次の33番雪渓寺への道中には、江戸時代から続く「種崎の渡し」があって、この渡し船に乗るのも、今回の遍路の楽しみの一つでした。かつては、お接待として舟が渡されていましたが、昭和47年、このすぐ東側に浦戸大橋が完成し、一度は船が廃止されることになりましたが、住民や全国の遍路たちの署名により、廃止を免れたのでした。たった600mほどの距離ではありますが、これに乗って対岸へ渡るのもまた、歩き遍路らしい味わいがありました。

 14時50分に種崎渡船場に到着、15時10分の船で対岸へ。長浜の船着き場からは、1.6㎞、あっという間に33番雪渓寺へ到着しました。

 今日の宿は、雪渓寺門前にある民宿、高知屋さん。16時30分に到着しました。私達の他に4組ほどの宿泊客もおられました。夕食に出た、鰹のタタキの美味しかったこと。さすがに本場ですね。

2日目

 次の朝は、4時起床。近くのスーパーで購入したパンを頂き、5時に出発。34番の種間寺へ向かいました。今日はトータルで56㎞ほどを歩かなければならず、気を引き締めて歩き始めました。天気も昨日同様、上々です。6時30頃お寺へ到着し、お参りを済ませたところで、納経所が開き、御朱印を頂きました。
 35番清瀧寺までは10㎞。途中から国道56号線に入り、ひたすら歩きました。仁淀川という大きな川の途中からが、土佐市。河の真ん中に高知市と土佐市の境界線があるようです。さらに歩みを進め、小高い山の中腹にある清瀧寺へは9時到着。9時30分にお寺を後にしました。降りる途中、土佐名物の大きな文旦が5個ぐらい入って300円ほどで売っていたので、それを母に送ろうと、お店のおじさんに声をかけたところ、発送は箱しかダメとのことで、どんな箱なのかと見せてもらうと、一箱12~15個ほども入っていたので、諦めたのでした。

 36番青龍寺までは13.5㎞。県道39号を山から海辺へ向かって歩きます。大きな宇佐大橋を渡ってしばらく歩くと、青龍寺。13時に到着しました。13時30分お寺を出発し、もう一度宇佐大橋を渡った後は、26㎞先の須崎市に向かって、県道23号線を歩き始めました。今日の宿は須崎市のビジネスホテルです。
 ホテルの隣にあるスーパーマーケットで、夜の食材と朝のパンを購入し、18時50分ビジネスホテルマルトミに到着しました。このホテルは、名前はホテルですが、使われなくなった古いアパートの部屋をホテルとして利用されているようで、2LDKのゆったりしたスペースで、疲れた体をしっかり休めることができました。
 今回は、雨の予報が無かったので、雨具は簡単な100円ショップのカッパのみを持参していたのですが、なんと、明日は朝から雨模様。雨の支度もして、早めに床につきました。

3日目
 3時起床。食事を済ませ、4時過ぎにホテルを出発しました。まだ雨は降っていません。今日は30㎞を歩き、37番の岩本寺を目指します。ホテルから1㎞ほど先のタケザキというお弁当屋さんが、地元の人気店ということを知り、今日のお昼ご飯を調達。おにぎり2個と出汁巻き卵のシンプルなお弁当ですが、美味しそう。お昼が楽しみです。
 ヘッドライトの灯りを頼りに、国道56号線をひたすら歩きました。途中、歩道の無いトンネルを4カ所、ひやひやしながら歩き、土佐久礼という町までは比較的平坦な道中でしたが、ここから七子峠までのおよそ7.4㎞が大変な道のりとなりました。高度上昇は300mほどではありますが、延々と国道を登り続けるだけ。おまけに、この頃から雨も降ってきました。
 山道を登る登りとはまた違った辛さがありましたが、帰りの電車の時間が決まっているため、予定している時間までにお寺へ辿り着かなければならず、ここでスピードを緩めることはできません。歩きながら足をストレッチしながら、何も考えず、歩きました。
 10時過ぎ、お寺へ到着。一応予定内の時間です。雨脚も強くなった中、お参りを済ませ、何とか予定の11時過ぎにお寺を出て、稲荷駅へ向かったまでは良かったのですが、ルート案内によると、その駅まで17㎞もかかることになっていて、そのまま歩くと電車の時間に間に合わないことが判明。その次の行程を少しでも進めておきたかったのですが、断念。もよりの窪川駅へ戻ることになりました。
 窪川駅は、特急も停車するし、駅員さんもおられる、この界隈の駅の中でも比較的大きな駅で、電車を一本前倒しにしてもらうことができました。
 次の電車まで2時間ほど待ち時間があったので、駅で濡れた衣服を着替え、構内で、温かいお茶と朝購入したお弁当を頂きました。
 帰りは窪川駅から高知駅まで、およそ1時間10分ほどの距離を特急列車で戻りましたが、よくぞこの距離を歩いたものだなぁと、我ながら感心したのでした。

 今回は、体調を崩すなどのトラブルはありませんでしたが、最後の行程だけが、計画通りには進みませんでした。毎回、限られた時間を有効に使おうと、かなりきつめの計画を立てているのですが、今回のように、坂道のこと、不意な雨など、想定外のことも多いのが遍路です。次回からは、その辺りも十分考えた上での計画を立てようと、深く反省したのでした。
 それでも、何はともあれようやく37番まで進むことができ、ホッとしています。












この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?