現役社会人求む
私は、初対面の人に友好的な印象を持たれることがよくある。
いつもニコニコしているし、リアクションだって大きい。その自覚はある。
でもこれは、言ってしまえば私のポリシーなのである。
話し相手のためではなく、自分のために。
目の前で話している人との出会いの機会を最大限に活かすためだ。
中学生までは、いわゆるクラスの中心的なグループに加担したりしなかったりするような、中立的立場を維持した。
高校では、打ち込んでいたスポーツを極めたくて、丸々3年間カナダに留学して、海外の高校を卒業した。
ここでは、言葉が通じない環境が人見知りに拍車をかけてしまい、学校とスポーツ以外は決まった人としか過ごさない日々が続いた。
パーティなんてもってのほか、卒業の際も周りがドレス選びや写真撮影で浮かれている中、私は表彰式に出るのが精一杯で、プロムにも行かずに終わった。
それでも、意図せず狭く深くを意識した人間関係は良好だったし、周りの人も優しく接してくれたので不自由はなかった。
海外と日本の入学時期の違いにより、高校を卒業して帰国したら周りとは既に2年の差が開いていた。
同級生が大学2年生になるなか、私は追いつきたい思いや焦りはなく、むしろここから自分のペースで世界を広げていくことにした。気楽な性格で良かったと、今でも思っている。
好奇心の塊だと自負するくらいには、たくさんのことに興味がある。
音楽や映画、小説やラジオなどのエンタメが好きだし、学者になって何かの第一人者になりたいと感じることも、学校の先生になろうかと考えたこともあった。
能天気な性格なので、一度きりの人生だから一つに選ぶのではなく、全てやってみた上で好きだったら打ち込んでみるスタイルを取ることにした。
手始めに、インターンを募集しているあらゆるサイトを見た。
そこには、必ずと言っていいほど「〇〇卒」や、大学生であることが参加条件である旨が記載されていた。
「そうか、大学生になる必要があるのか。」この時に初めて、大学生になろうと決めた。
とはいえ、日本の高校で教育を受けていないかつ、自分にゆとりのある生活をしたいと考え、悩んだ末通信制の大学に進学することにした。
これで日中は好きなことに打ち込めるのだ。
インターンサイトを見ながら、将来働いている自分を想像してみた。
ここで一つ問題が発生した。
マイナビのインターンサイトを見てみると、業界や業種別に検索ができる。
そうすると必然的に、興味のある業界や仕事についての知識がある業界にのみ手が伸びる。
これでは、「潜在的にバイアスがかかって、まだ見ぬ出会いに気付けないのでは…?」と思うようになったのだ。
いち大学生の私に、この世の膨大な職業の全てを知る術はないだろうか。こう考えるようになった。
インターネット上に転がっている記事を参考にすることももちろん並行して行うが、誰かが書いた記事ではなく、実際に自分が働いている大人と対面して、得るものこそ、本当に私が知りたいことに違いない。そう思うようになった。
そうと決まれば行動あるのみ。
まずは家族のツテや知り合いから。
実際に仕事の現場に入れてもらったり、マイナビの1、2年生向けキャリアイベント、好きな本を出版している出版社さんに突撃したり、以前参加した音楽番組のスタッフボランティア、動画編集や映画レポートの作成などの個人営業スキルも磨きつつ、同時並行で社会を知る期間を勝手に個人的に開催した。
この中には、身に合わず既にやめたものもあるし、継続して続けているものもある。
たくさんの大人と実際に話す中で、第一印象の大切さ、人当たりの良さ、仕事が出来そうに見える雰囲気や、好印象で丁寧な話し方とは、もっと私のことを知りたいと思ってもらうにはどうすれば良いのか、etc…
これらを考えるようになった。
そして、編み出したポリシーが、
「私がこの状況を一番楽しんでいることを伝える」だ。
意識して作り上げるものではなく、この瞬間を楽しんでいることが相手にも伝染すれば私のミッションは達成されるのである。
好印象を持たれれば、必然と話す時間は長くなるし、引き出せる話も増える。もっと業界について、仕事について知ることができる。
相手のことを人として好きなることができるし、何より自分が行動してて楽しいと思える。
メリットばっかりだ。
好きなことを仕事にして、満足な収入を手に入れる人が一定数存在する中、思うような人生を送れない人もいる世の中で、私は一体何をして生きていくのだろう。
好きなことを仕事にして楽しい人もいれば、嫌いになってしまう人だっているし。
好きだから頑張れる人もいれば、仕事だから生きていくためには我慢してでも出来る。と割り切る人にも出会った。
これを読んでいる全ての社会人の方に、お仕事インタビューを敢行できたらどれだけ嬉しいことか。ぜひ、あなたのお仕事についてコメントで教えてください。
「この世の全ての職業を知る勢いで、どんどんたくさんの人と出会いたい。」
これは、内気で、人の機嫌を伺っていた過去からは想像もできない、私の行動力の原動力なのだ。
情報がインターネット上で飽和する時代だからこそ、実際に足を運んで「ホンモノ」に会いに行く。
私は、その先で天職に出会いたい。