健康サラダ
健康のためにサラダを買った。
コンビニのサラダは特においしくもまずくもない、もっと言えば食べたいわけでもない。空っぽの冷蔵庫を携えたままで健康でいるためには、(たとえコンビニでも)サラダを買わなければならない日がある。
起きたら食べようと思って買ったのに起き抜け、八百屋さんに買い物に行くことに成功してしまった。サラダから目を背けて鍋を煮た。
買い物に行けてないので肉はない。野菜だけの鍋だ。健康のためのサラダが、冷蔵庫の中からわたしを睨んでいる。
また、わたしは健康のために果物を買う。
果物は生活必需品とまでは言えないが、食べていると体に足りてなかった栄養が補われるような気持ちになる。
はっさくが安かったので剥いて食べる。
果物でお腹が膨れてしまったわたしは今、煮込んだ鍋と冷蔵庫に鎮座するサラダに睨まれて、これを書いている。
生活をするのはつくづく難しい。
寝て起きたら風邪気味だった。鼻の奥が痛くて乾燥している。葛根湯を飲んだりゆぶねにつかったりして、なんとか酷くならないように努めている。
買ってきた野菜たちも2、3日すれば萎びていく。あれもこれも、作りたいものは山のようにあっても毎日少しずつ作って食べ、萎びる前に使い切るというだけのことがなかなかできない。
みずみずしい野菜たち。
こんなふうに生きていけたら、それだけのことが現代社会では難しいんだよな、などと摂取したばかりのビタミンを煙草で壊しながら思う。
丁寧な生活とは程遠い暮らし。