孤立しやすいかも?バイセクシュアルを考える
9月23日は朝日新聞の報道によると、バイセクシュアルデーだったようです。
バイセクシュアルとは、LGBTのBで、男性にも女性にも性的指向が向くセクシュアリティです。
最近、バイセクシャルを自認される方とお話ししていて、ふと
「孤独なセクシュアリティかもしれない」
と感じました。
新しく発見、あるいは名付けられたセクシュアリティ、「ノンバイナリー」や「アセクシャル」は、性的マイノリティの中でもよりマイノリティ性が高いと言われています。新しさゆえ、名乗りをしている人も少ないですし、性的少数者の中でも無理解や偏見もあります。そういった新しいセクシュアリティであれば、孤立しやすいのは想像に難くありません。
一方、バイセクシュアルは、4文字の頭文字にまとめ上げられている一つであり、昔から認識されてきたセクシュアリティです。
それにも関わらず、バイセクシュアルを自身のセクシュアリティとして語る人とほとんど会ったことがありませんでした。
バイセクシュアルを名乗るのは「メリットがない」
しかし、異性に性的指向が向くこともあるけれど、今は同性パートナーがいるからと、ゲイ、レズビアンを名乗る人には会ったことがありました。
もちろん、自分のアイデンティティなのですから、どう感じるかは個人の理由です。でもパートナー如何で名乗りが変わるのなら、バイセクシュアルとは違うのかな?バイセクシュアルとは一体どんなセクシュアリティなのか、よく分からずにいました。
先述したバイセクシュアルの方によれば、そういうことではないようでした。
そもそも、バイセクシュアルを名乗ること自体に「メリットがない」のだそうです。
異性愛、同性愛者どちらからも孤立する
その方は男性のため、ゲイコミュニティでのことを教えてくれました。
バイセクシュアルというのは「いずれ女性と結婚してしまう」と勝手に距離を置かれたり、女性と性行為をできるということで忌避されることもあるそうです。
どうやらゲイコミュニティで心地よく生きていこうとすれば、バイセクシュアルであることは伏せておくのが安パイなのだそうです。
でも、それって、すごくしんどいことではないでしょうか。
逆に、女性に性的指向が向く異性愛男性のコミュニティでは男性との恋愛経験を口に出してはそれも居心地が悪いものでしょう。
それはまるで、性別移行でアイデンティティを引き裂かえるトランスジェンダーのように私には思えました。
性愛は性生活だけの問題ではありません。日常生活すべてに関わるものです。コミュニティによって、それぞれの一側面だけ認められ、別の側面は透明化されてしまうのは、「孤立」そのものではないでしょうか。
そんなことをぼんやりと考えさせられました。