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ヨルシカ「晴る」とフリーレン/さぁこの歌よ凪げ!

さぁこの歌よ凪げ!この歌詞に痺れたのでメモをしておく。

「晴る(Sunny)」は「葬送のフリーレン2期」のオープニング曲。「穏やかに晴れた日」と「荒れた日」が混在する春は不安定な季節。でもだからこそ「春の良さ」があるのだろう。そう思える、春を迎える今の時期にぴったりの曲だ(と私は思う)。


「降り止めば雨でさえ 貴方を飾る晴る」
「降り頻る雨でさえ 雲の上では晴る」

雨と晴れが入れ替わり交錯する様子が目に浮かぶような美しい歌詞が続く。そして「さぁこの歌よ凪げ!」。直後に曲が消えてアカペラになる。ここが私には「フリーレン」の作品イメージと重なって痺れた。
まず、呪文のような命令文で曲が凪ぐ、というのがとても魔法っぽい。そしてアカペラで「気持ち」を表現するスタイルが「葬送のフリーレン」という作品がやろうとしていることに近いのではないかと感じる。それはどういうことか、ちょっと説明を書いてみる(そうしないと自分が忘れる)。

●アカペラと低温キャラ達に取り残される私たち
「葬送のフリーレン」はテンプレート的ともいえるシンプルな舞台設定の中で丁寧に、どちらかと言うと淡々と「登場人物たちの気持ち」を表現してゆく。もちろん盛り上げる演出は使われるし、実際かなり盛り上がる。でも、大事なところで登場人物達は淡々としたセリフになり、全く熱くなるようなことはない。あいつもこいつも低温キャラばかりなのだ。だから物語的には盛り上がった後で、低温キャラたちは一斉に引いて行ってしまう。そして、私たちは少し取り残される。
でもその「ちょっと取り残された感」を感じたとき、自分の感覚がいつもは感じないことを捉えている気がする。そういう気持ちになるのだ。そして「晴る」で「さぁこの歌よ凪げ!」からアカペラになったときの、耳が研ぎ澄まされる感じが、その時の感覚にとても似ている。そこでも作品と繋がるのか、と感動した。もちろん、かなり自分勝手な解釈だと思うけど、でもそう感じたのだからメモっておこうと思う。


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