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Letter23 社会人二年目から学生へ〜出発の朝〜
4月はじめには、引っ越しもできることになった。
今更だが、実家に残る母は寂しいのではないか・・・と思っていた。
母に言った。
「職場の人に『お母さんも寂しくなるわね〜』って言われた。『たぶんそうだと思います』って答えてる。」
そうしたら、母は目を丸くしてこう言った。
「え!あなたお母さんが寂しいと思ってるの?!」
「お母さん、全っっっっ然寂しくないからね!!」
強がりには見えなかった・・・
「しっかり勉強してきなさい!それまで帰ってくるな!」
うちの母はこれを本心から言っているようだった。
強がりなら、娘である私はすぐにわかる。はず。
でも、実際のところ、その真意はわからない。
父が病気になった日もそうだった。
母は満面の笑みで私たちにこう言った。
「お父さんは少し疲れてしまって、頭にお水が溜まってしまったの。でも大丈夫。手術して退院できる。心配しないで!」
病院で、あと1ヶ月持つかわからないと言われた直後だった。
だから、結局わからない。
そして、母はこう言った。
「どんな思いをしても、続けなさい。」
出発の前夜、布団に入ると、いつも別の部屋で寝ている愛犬が、私のところに来た。
一晩一緒に隣で寝た。
高速バスのバス停まで母に送ってもらった。
「いってらっしゃい!頑張って!」
私は地元を離れ、大学のある県へ旅立った。
新しい、素晴らしい出会いが待っていた。
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![ポテチ@サクラヒカル](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43409696/profile_f5db399f8661cfc50a5f7b1cd0b677db.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)