ファイトって言った
昔々のマラソン大会を思い出していたんだ
長くて長くて切なくて
僕は道端に座り込んでしまっていた
立ち上がることもできなくて
知ってる顔も知らない顔も
必死に走り 去って行く
その時に 座り込んでいるその時に
「ファイト」と言って彼女は通り過ぎていった
彼女は走り去っていった
立ち上がってみたら
やっぱり道はしんどくて
世界は輝いたりしていなくて
でもゆるゆると 切ない気持ちを抱えながら
走り出すことができた
とても昔の、昔の、マラソン大会
僕は思い出した
彼女はそのまま走っていってしまった
ずっと