今・未来・過去・・・「青春と青春と青春」 3 sakuragikaku 2020年2月18日 10:31 のんびりとした青春ラブソング。しかし、この歌の不思議なところは、この「青春」が、いつのことなのか曖昧模糊になっているところだ。「恋をした夢を見た」この言葉は、オーディエンスの現実でいかようにも解釈できる。今現在、青春を謳歌し、恋をしている人には「夢のような恋をしている」意味になり、まだ恋が始まっていない人には、酸っぱく、じれったい「夢」を見た意味になり、恋を夢見る人にとっては「いつか来るであろう素敵な恋」の夢となる。でも、この歌が一番胸にくるオーディエンスは、「夢を見終わってしまった人」だろう。あの日、あの夏、確かに恋をした。その「夢」を見てしまった。この歌が「青春」で終わらず「青春と青春と青春」というタイトルなのは、そういうことだろう。「夢を見ていた」それはもう取り返しがつかない、遠い遠い過去のこと。妄想と現実が入り乱れ、何より「あったかもしれない未来」「自分が失った可能性」が、その夢の中でだけ、光を放っている。目が覚めなければ、「夢を見た」ことに気がつかない。目が覚めなければその夢が「素敵な夢」だったことがわからない。しかし、目が覚めれば、その夢は永遠に失われる。「夢は終わる」「夢を見た=目が覚めた」人たちは、この曲に、その寂しさを胸に刻み込まれるのだ。ひょっとすると、ノースリーブとポニーテールのあの子は、今は隣で、伸びたパンツとおばさんパーマで、屁をこきながら寝てるかもしれないけれど、それが多分、一番素敵な「夢の終わり」なのだ。歌詞はこちらhttps://g.co/kgs/vPxsPJ いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #音楽 #ギター #昔の話をしよう 3