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元天才少年起業家が現代最強忍者と組んで忍者業界で市場シェアNo.1を目指す話 【あらすじ+1話】【創作大賞漫画原作部門】



あらすじ

 13歳で1億の売上を上げた元天才少年起業家である石川円(23歳)は、8年前に事業が破綻してから、借金返済のためにバイトを掛け持ちして鬱々とした生活を送っていた。そんなある日、「ござる」を語尾に付ける変わった男、福部正之助が新人アルバイトとして入ってくる。戸惑いながらも仕事を丁寧に教える石川。
 借金返済日、石川の金が盗まれてしまう。借金取りに詰め寄られ絶体絶命の時、福部が助けに来る。そしていとも簡単に借金取りたちを倒した福部は、石川にビジネスパートナーになり、忍者業界トップシェアの大企業を目指してみないか、と提案する。
 夢を実現させるため、そして自分の存在を認めるために二人は手を組む。


概要

ターゲット:20代


ジャンル:バトル、ビジネス


メインキャラクター:
石川円(まどか)(23歳):主人公。13歳の時に企業をして15歳の時に破産した元天才少年起業家。原因は、両親の金遣いの荒さと、騙されたことによる。闇金の返済のために、昼夜問わずアルバイトをしている。他人も自分も信頼できない。
福部正之助(35歳):忍者。以前代々引き継いだ会社を経営していたが、経営センスが全くなく、部下に騙されて会社を乗っ取られる。その後、再度奮起して起業したが、売り上げがでない。忍術に関しては、最強と言われている。
福部(篠崎)初芽(22歳):忍者。正之助の妹。兄の経営を助けることもあったが、将来性が見えず他の会社の社員として働いている。正之助と一緒に住んでいる。

★ビジネス書の自伝のように未来の石川が過去を振り返っていく形で進めていく
★以下、石川Nは70歳になった石川がインタビューに答えるように話している形である。

本編【1話】未来

①N「忍者は非常に優れたビジネスマンである。
情報収集力、交渉力に優れ、結果が出るまで忍ぶ体力もある。
そんな優秀な忍者たちの伝説”福部正之助”は、圧倒的な忍術を持ち、自身の福部忍忍株式会社を忍者業界トップシェアの大企業に成長させた。
しかし、その裏には忍術を一切使えない平凡な男の存在があった。
これはその男の自伝である」


②〇コンビニ(昼12時)
石川M『この世は不平等だと思う』
 ・石川、接客をしている横で、初芽もレジ対応をしている
 ・客たち、長い列になっている
客1「おっせーよ。要領悪いな」
石川「すみません」

石川『53回。今日、僕に投げかけられた心が重くなる言葉の数だ。だが美人の篠崎さんにはそんなことは一回も起こらないし、良いことづくしだ』
 ・石川、横にいる初芽をチラッと見る


③〇同(16時)
 ・店長、ルンルンで初芽に話しかける
店長「初芽ちゃんっ! もうお客さんいなくなったし帰ってもいいよお」
初芽「(ニッコリと)良いんですか? 助かります」
 ・石川、2人を横目にため息をつく

 ・石川、コンビニの外でヤンキー座りをしている福部に気付く
 ・福部、初芽を店の前にいる

 ・石川、店長に近付いていく
石川「店長、あの」
店長「お前は上がれないから」
石川「いや、違うんですけど、その、すいません」

 ・石川、後ろを向いて福部を見る
初芽「それじゃあ、お先に」
 ・初芽、福部の元に小走りで駆けていく

 ・店長がぬるりと石川の横に来て、石川は驚く
店長「あいつ、毎回初芽ちゃんのこと迎えに来てるよね。彼氏だと思う?」
石川「えっ、あー多分そうだと思いますけど」

店長「けっ。でもあいつ30は超えてそうだから、初芽ちゃん歳の差イケるんだね」
 ・石川、にやにやしてる店長に引いている


④〇工事現場(夜12時)
 ・石川、旗を振りながらぼーっと破廉恥な考え事をしている
石川『僕はこうしてバイトをはしごしている時にも、あの年上イケメンは篠崎さんと今頃……”色々”してるんだろうな。いいなぁ』

 ・石川、現場の人(50歳)に怒られる
現場の人「おい、ぼーっとしてんな」
石川「すいません」


⑤〇道(朝6時)
 ・石川、疲れ切ってふらふらと歩いている
 ・酔っぱらっている借金取りA (35歳)とB(28歳)、石川に近付いていく
借金取りA「おおまどかぁ、調子良さそうだな?」
石川「…はい、まあ」
借金取りB「兄さん、こいつ誰です?」
借金取りA「うちの上客だよ」

 ・借金取りA、石川に威圧的な感じで顔を近づける
借金取りA「分かってるよな? 25日までに?」
石川「(怯えて)10万円です」

 ・借金取りA,ニコッと笑い石川の頭をなでる
借金取りA「そうだ。分かってりゃいいんだよ」

 ・借金取りAの後ろを借金取りBが追っていくように去る
 ・石川、二人がいなくなりホッとする

⑥〇同
 ・借金取りB、Aの少し後ろを歩き首をかしげている
借金取りB「あいつどっかで見たことある気がするんだよな」
借金取りA「(ニヤッとしながら)天才少年起業家って聞いたことない?」
借金取りB「ああ、中学生が1億稼いだって10年前くらいに話題になってましたね。いつの間にか消えてましたけど」
借金取りA「それあいつだよ」
借金取りB「ええ! でもなんであんな感じに?」
借金取り「経営が破綻した。母親は贅沢三昧で父親は新ビジネスをそそのかされて闇金に手を出したってわけ」
借金取りB「親は今どこに?」

 ・借金取りA、たばこを取り出し吸う
借金取りA「刑務所。その後闇金を返すために詐欺やったんだよ」
借金取りB「でも、あいつに才能あるならもう一回やらせればいいんじゃ?」
借金取りA「あいつはただ話題作りのお飾りだったらしい。経営のノウハウはない、と」
借金取りB「利用された挙句、尻拭いまで…人生詰んでますね」
借金取りA「(鼻で笑う)そういう星に生まれちまったんだ。しょうがない。まあ俺らにとっちゃ死ぬまで金を絞り取れるいいカモだ」


⑦〇家(朝7時)
  ・石川、布団にダイブしてスマホの時間を見る
 ・時刻は朝7時を指している
石川「3時間は寝れるな」

 ・石川、おなかが鳴って腹を抑える
石川「明日はなんかいいことあるといいな。今日か」

 ・石川、目を閉じて寝落ちる


⑧〇コンビニ(昼11時)
 ・福部、コンビニバイトの制服を着ていて、メモ帳を持っている
石川M『なんでこの人が? 彼女といつも一緒にいたいってか?』
店長「君、挨拶して」

 ・福部、大きく息を吸ってから話す
福部「拙者、福部正之助でござる。今日からここで働かせてもらう運びとなったため、以後お見知りおきを」

 ・店長、笑って噴き出している
石川M『嘘でしょ』
店長「(笑って肩を震わせながら)ってことで石川君、教育係やって」
 ・石川、びっくりしている
 ・福部、石川に笑いかける


⑨〇同
石川「この機械の使い方は」
石川M『なんかのオタクとかなのかな? 篠崎さん、結構変わった趣味してるんだな』
 ・福部、一生懸命マニュアルを見てメモ取ってを繰り返して話を聞いている

石川「一通り説明したけど大丈夫そうですか?」
福部「ああ、完璧でござる」
石川「じゃあ、実際に接客してみましょう」

 ・福部、レジ前に立つ
福部「よくお越しになったでござるな」
石川「いらっしゃいませって言ってくださいね」
福部「承知したでござる」

 ・客1、入店してくる
福部「いらっしゃいませ」

<フラッシュバック>
 ・石川がクレームを言われてたシーン
<フラッシュバック終了>

石川M『よりによって』
石川「僕がちょっと接客変わりますよ」
福部「心配ご無用でござる」
 
 ・客1、商品をカウンターに投げる
福部「ふくろh」
客1「いらねえよ。カバン見えねえのか?」
福部「確かに! 箸は必要でござる……必要ですか?」
客1「必要に決まってんだろ」
福部「何膳で......すか?」
客1「一膳だよ、分かんだろそんぐらい」
福部「おしぼりは」
客1「食べる前に使うに決まってんだろ」
福部「550円でござる」

 ・客1、お金を放り投げる
 ・石川、素早く箸とおしぼりを取り出してカウンターに置いている
福部「レシートは」
客1「なもんいらねえよ。ったくどんな教育してんだよ」

 ・客1、レジ前から足早に去る

福部「おしぼりと箸!」
 ・福部、手裏剣のように箸を客のカバンの中に投げ入れる

 ・石川、目を大きく開けて面を食らっている
 ・客、激昂して福部に詰め寄る
客1「おい、お前どういうつもりだ! 人にもの投げていいと思ってんのかよ」

 ・石川、頭を下げて平謝りしている
福部「(悪気なく素直に)お主も商品やお金を投げてたからてっきりそういうものかと思ったでござる。すまん」
 ・福部、頭を下げている

 ・客、さらに顔を赤くする
客1「おい、責任者呼べ!」

⑩〇バックヤード(17時)
 ・勤務終了後に石川、制服から私服に着替えている
 ・福部、入ってきて石川に頭を下げる
福部「結局石川殿が店長殿に怒られてしまって、かたじけない」
石川「いや僕が教育係として上手くできていなかったので」

 ・石川、リュックの中から自身で作成したマニュアルを出す
石川「あの、配布されたマニュアル見にくいですよね? 僕がまとめたものがあるので、もしよかったら使ってください」

 ・福部、目を輝かせてマニュアルをペラペラとめくっている
福部「これはなんと! 感謝申し上げる。石川殿は本当にいい方だな」
石川M『変だけどいい人だ』

⑪〇帰り道
 ・福部と石川、横並びで歩いている
福部「石川殿は一生懸命働いて偉いですな。夢があるんでござるか?」

石川「……(どんよりとした様子で)僕はただお金を稼ぐ必要があるからってだけで……福部さんは目標とかあるんですか?」

 ・福部、石川の前に立ち人差し指を上に立てる
 ・石川、立ち止まる
福部「拙者はトップになりたいのでござる」
石川「何のですか?」

 ・福部、ニヤッとする
福部「それは、まだ秘密でござる」


⑫〇道(次の日の10時頃)
 ・石川、バイトに遅刻しそうになっており全力疾走して、スマホの時間を確認する
石川M『あと10分で着くか?』

 ・石川、オドオドとしている高校生とぶつかる
石川「あっ、すみません」

 ・石川、青年がメモ帳を落としたことが目に入る
 ・青年は小走りで反対方向に向かっている
 ・石川、遅刻しそうなので躊躇するが、すぐに青年の後を追いかける
石川「すみませーん」
石川M『現役高校生ってこんなに速いの!?』

 ・石川、青年が早くてなかなか追いつけないが、ショートカットをしてなんとか追いつく
石川「あの」

 ・青年、肩をびくっとさせ怖がる
青年「ひぃ」
石川「これ、落としましたよ」
 ・石川、ぜーぜー言いながらメモ帳を渡して走り去っていく


⑬〇コンビニ
 ・石川、店長に怒られている


⑭〇コンビニの近くの路地
 ・石川、バイトが終わり一人でとぼとぼと歩いている
 ・借金取りA、Bが石川に近付き、近くの路地裏に入っていく
借金取りA「まどかぁ、金回収に来たぜぇ」
石川「あ、はい」

 ・石川、上着の内ポケットに手を入れる
石川「あれっ?」
石川M『あの時』

<回想>
・青年とぶつかった時を思い出す
<回想終了>

借金取りB「どうしたぁ? もしかして、金ないのか?」

 ・石川、近寄る借金取りBに何度も頭を下げる
石川「すみません。すみません。来週までに用意します」
借金取りA「どうやって? お前、生活かつかつで貯金ゼロだろ」

 ・借金取りA、石川に一歩詰め寄る
 ・石川、走って逃げる
石川M『殺される。やばい』

 ・石川、すぐに捕まってしまう
 ・石川、借金取りBに馬乗りになって殴られる
石川M『なんでこうなったんだっけ?』

<回想>
 ・石川(10歳)、薄暗い汚い家の中で起業家がインタビューを受けているのをテレビで見ている
 ・石川(12歳)、(少年起業家支援)と記載してある事業計画書をアップロードしてクラウドファンディングでお金を集めている
 ・石川(13歳)、クラウドファンディングが集まり、事業を始めて売上高が1億になって喜んでいる
 ・石川(14歳)、父親に怪しい人を紹介されてサインをしている
 ・石川、明細を見て頭を抱えている
 ・石川(15歳)、父と母が警察に連れていかれ、父は「お前が全ての元凶だ」母は「あんたなんか生まなきゃよかった」と言う
<回想終わり>

 ・石川、地面に落ちている100円玉に手を伸ばしている
石川M『僕の人生は頑張ってみても人に裏切られて、馬鹿にされて……こういう風にしかならないんだ。そういうもんなんだ。いくら足掻いたって意味がない』

 ・福部(コンビニの制服を着てる)、石川に馬乗りになっている借金取りBの頭にマニュアルを手裏剣のように投げる
 ・借金取りB、気絶して倒れる

石川「えっ、福部さん!?」
福部「石川殿、助けにきたでござる」

借金取りA「お前、仲間呼んだのか? 生意気な」
 ・借金取りA、福部に殴りかかる

 ・福部、ポケットの中からジュースを出し、その容器をつぶして中身を出す(目くらましのため)
 ・そして福部、借金取りAの背後を取り首筋をトンと手で叩く
 ・借金取りA、気絶して倒れる

 ・石川、福部を見上げている
石川「……福部さんは一体」
福部「拙者は忍者でござる」
石川「忍者?」

 ・福部、跪く
福部「その通り! 福部正之助、この地まで石川殿をヘッドハンティングしに来た。拙者のビジネスパートナーになって、忍者業界トップシェアの大企業を作り上げてみないか?」
 ・石川、呆気に取られている
★一話、終わり

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