【 #4 入院2日目 手術当日 】伝音性難聴の私が骨導インプラントをはじめた
2:00
目が覚めて「お腹がすいた」と記録している。きのう夕飯のあとオムレットを食べたのに。絶食という事実が無駄に人を空腹にさせるのかもしれない。
3:00
スマートウォッチのfitbitにセットした振動タイプのアラームで起きる。術前の最終水分をコップ1杯程度摂取。3:19ごろにも「お腹がすいた!」と記録しているので、とてもお腹がすいていたらしい。
8:30
「お腹が空きました」とスマートフォンに訴えている。やはりとてもお腹がすいていたらしい。食べてはいけないと思うと余計にお腹が空くのかもしれない。安静解除されたらコンビニで購入したプリンを食べよう。私は手術の順番が2番目なのだが1番目の手術の前に主治医が挨拶に来てくださった。予定どおり行われるとのこと。
9:24 手術着に着替える
担当の看護師さんから手術着が渡された。渡された手術着はサイズがゆったりしていて素肌につける。手術着なので当然なのだが脱げやすくなっているので着心地がとても悪い。
下に履くものは金属やファスナーのついていないものであれば自前のでOKだったので筋トレの時に愛用しているユニクロのジャージを履いた
脚にはエコノミー症候群防止にと看護師さんから渡された弾性ストッキングを履いた。長時間同じ体勢になるため必要なのだ。
10:30 手術室へ
予定時間より30分過ぎた10:30ごろ呼ばれた。歩いて看護師さんと手術室へ移動する。そして中へ入るとたくさんのスタッフさんがずらりと並んでいる。
ベッドに座ると一人一人名札を見せながら挨拶してくださった。緊張していたのであまり覚えていないけど手術室の看護師さんの服がアンパンマンのキャラクターの柄だったのが印象的だった。小児も手術するので少しでもリラックスできるための工夫であろう。手術室の各ドアや廊下の壁にはユルいキャラクターのイラストがいっぱいあった。大人の私でも緊張するから、このユルいキャラクターには思わずフフっと笑ってしまったのでありがたいと思う。
心電図をつけて手の甲には点滴の針が入った。この瞬間が痛いのでいつも苦手。手の甲に冷たい感触が広がり酸素マスクをつけたら、やはりいつの間にか意識がなかった。
13:30 手術終了
気づいた時には手術室の外にいて母と病棟担当の看護師さんがいた。
私は母に「何時か」と聞いた。「13:30」と母は言った。たぶんnoteに記録するぞという意気込みが脳内にインプットされていたので母に何時かと聞いたのだと思う。面会禁止なので顔を合わせられるのは、この時だけなのに会話した内容はこれだけである。
後日知ったのだけどこの時、主治医もいたらしい。「(骨導インプラントの)ネジをしっかり止めました」と母に言ったそうな。よかったです。
手術室で麻酔から覚めたか確認されたことも記憶していないので眠くて眠くて仕方がなかったんだとおもう。
術後は3時間安静なのでただ眠りながら時を過ぎるのを待った。
15:00ごろ
主治医が様子を見に来てくださった。術側の耳穴がどうもグジュグジュしており「耳だれでしょうか?」と症状をお伝えし診ていただいたら、なんと出血しているようで、その場で簡易的な処置をされることに。吸引器に溜まった血を眺めながらトマトジュースみたいだと思った。
16:30 安静解除
看護師さんが起こしに来てくださった。お水を一口飲みましょうとのことでベッドのリクライニング機能を使って背中を起こしベッドに座ると頭がふわふわして、そしてじわじわと目の前が真っ白になりパニックになった。
どうにも立ち上がって歩けそうになかったので車椅子で処置室まで移動。なんだか耳の辺りが気持ち悪い。手で思わず触れると指に鮮血が。よく見ると手術着にも血がべったり。出血が止まっていないようだ。
処置室でも目の前が真っ白になった。血を見たことによる脳貧血らしい。トマトジュースみたいだと眺めていた頃の余裕はいずこへ。
今まで聞いたことのない耳鳴りもなるし、まあまあ私は大騒ぎしていてやかましかっただろうと思う。主治医から「トイレに行く時も必ず看護師を呼ぶこと」と念押しされた。まあ脳貧血を短時間に2回起こしたらそうなるだろう。
17:00
処置が終わったあと看護師さんに手伝ってもらいながら手術着から普段の病衣に着替えてお手洗いも済ませた。ようやくスマートフォンを手にすることができたのが17:00。このときにやっと落ち着いたと母に連絡できた。安静解除になったとはいえ、身体を起こしたり寝たりするのはリクライニング機能使わないと頭が痛くて出来ない。この日はリクライニング機能に頼りっぱなしだった。
18:00
夕飯も舐める程度にしか食べられず。あんなに空腹を訴えていたのに食べる行為を拒否したい気持ちでいっぱいだった。全身麻酔が覚めてから食べようと思っていたプリンも食べる気になれなかった。
その日はほとんど寝ていた。そのあと様子を見に来た看護師さんにも「眠たいです」と言ったのを覚えている。
─ 明日へ続く ─