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MMI面接の見える化
医学部受験では面接試験が必須です。まじめで優秀な受験生が多いのに、これを苦手とする人が少なくありません。理由は人それぞれですが、もっとも大きな理由は面接試験のリアルが見えないことにあります。見えないことが不安を増大させ、それを過度に恐れて萎縮し、ありえない不適応を引き起こすことがあります。こうした悪循環を避けるため、私が始めたのがAIを活用した面接試験の見える化です。
私が対面で行ってきた模擬面接も、見える化の一助となる学びです。かつては、これを一問一答で行っていましたが、今は口頭試問の時代であり、質問に対する受験生の回答に何度かツッコミ(再質問)を入れることが通例です。問いかけを連ねることで、回答の精度や熟度を試すことができます。その究極の形態が一部の大学が導入しているMMI(Multiple Mini-Interview)です。
これについて、文部科学省が公表した研究会報告に以下のような記述があります。研究会は複数の分科会があり医療系学部の教員がメンバーです。
⋯理想的な学生像を求めるにはやはやはり面接というような手段がありますが。
分程度の面接では十分学生の資格を評価することができないであろうというような意見が大部分でありました。
そこで,学生にストレステストを掛けて,そういったような反応を見るとか,あるいは,新たな方法として,MMI(Multiple Mini Interview)で幾つかの複数のステーションをもって学生の質を十分に評価する必要があるんじゃないかというような話がありました。⋯⋯
従来までの個人面接では差がつかないので,「学生の質を十分に評価する」ための「新たな方法」がMMIなのです。ここでいう「学生の質」とは、各大学のアドミッション・ポリシーやそこに盛り込まれるコミュニケーション能力です。MMIのように、次々と発せられる面接官の問いに対応する「タフ」さや簡潔かつ的確に回答する「キレ」が、ここでのコミュニケーション能力の中核にあると思われます。
MMIを見える化するために、以下の問題集をリリースします。MMIの出題は、一般的に以下の4つに整理できます。A、B、C、Dそれぞれのカテゴリの問題と想定される問答(やりとり)を掲載しました。いずれも人間・私とAIとの共同作品ですが、構成・内容に高い創作意図と創作的寄与が含まれます。これを保護(複製・提供等の禁止)するために 有料記事 (4問で1,000円)とさせていただきます。なお、有料記事の購入方法は、noteの 関連ページ を参照してください。
MMI面接試験を以下のように整理して想定問答集を作成しました。いずれのタイプも問いに対する回答を起点に、受験生と面接官との「やりとり」が展開されます。
A:ケーススタディ 想定問答「高齢者の自動車免許の返納」
トレードオフを含むシチュエーションを設定し、自身の考えや行動を述べさせます。他人事ではなく自分事として思考・口述するのがポイントです。
B:図表 想定問答「日米の平均寿命の違い」
一枚の図表を提示し、わかったことと考えたことを述べさせます。fact(課題発見)とopinion(課題探求)とを整理して、思考・口述するのがポイントです。
C:論点整理 想定問答「医療現場におけるDEI」
複数の論点を含むテーマを出題し、それぞれに対応した答えを述べさせます。テーマに関わる複眼的な理解・考察を通じて、思考・口述するのがポイントです。
D:サプライズ 想定問答「ホワイトボードに◯と□を三つずつ描く⁉️」
特定のパターンがない想定外の問題を提示し、自由に述べる・振る舞うことが求められます。想定外に対して柔軟に考え、演じることがポイントです。
以上の概説だけではリアリティがないと思います。以下のサンプル問題を読んでMMIのリアリティに触れてください。
A:ケーススタディ
テーマ:高齢患者の自動車免許の返納
面接官:「あなたは医師として、90代の患者に自動車免許の返納を促す場面に直面しています。その患者は長年自動車を運転しており、免許の返納を拒んでいます。どのように声を掛けますか?」
受験生:「まず最初に、患者さんの立場を理解し、その感情に寄り添うことが重要だと思います。長年運転していたことが生活の一部となっているので、免許を返納することに対して不安や抵抗があることは理解できます。ですので、最初にその気持ちに共感を示しながら話を進めます。例えば、『運転を続けることが生活の一部であったこと、そしてそのことを手放すことは大変なことだと思います。私もその気持ちを理解します』というふうに伝えます。」
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