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産後24時間で退院!カナダで出産した私の体験談 パート2

前回からお話ししているカナダでの医療と妊娠に続いて今回は、聞いたことがある方もいるはず!産後24時間で退院というカナダの出産事情について、私の体験をもとにお話ししたいと思います。前回を読んでない方はこちらからどうぞ:

参加してよかった出産準備クラス

将来カナダで出産をされる方は、病院で開催されている出産準備クラスに参加することをオススメします。お恥ずかしい話ですが、私は出産や新生児との接し方などについて使える知識が全くなかったのでいくつかのクラスに参加しましたが、中でも後半に病棟のツアーをしてくれたLabour and Birth (出産準備)のクラスは特にオススメです。私はこれに参加するまで、出産予定の病院は2階が産婦人科になっていることすら知りませんでした。てっきり妊娠中に検診で教えてくれるのかと思っていましたが、結局そういうことは全く聞きませんでした。

日本だと妊娠中から通っている産婦人科で出産される方が多いと思うのですが、カナダでは出産時の総合病院に行くのは実際の出産のときだけです。しかも陣痛が始まってから行くので、事前にどこへ行ってどういう段取りかといった情報は、こういった出産予定の病院でやっているクラスに参加していないとわからなかったりします。

完全に自由参加制のクラスなので、病院のサイトから自分で調べて参加しないといけない仕組みになっていますが、何時から何時まではメイン・エントランスから入れるとか、こういう部屋で出産するとか、詳しくたくさん教えてもらえましたし、些細な質問にも答えてもらえました。

私の場合、実際に陣痛が始まったのは午前2時ごろで病院に行ったのは午前4時ごろだったのですが、事前に参加したクラスのおかげで、朝5時まではEmergency(緊急外来)から入ること、また緊急受付に行くのではなく直接2階へ行ってチェックインすることなど知っていたので、陣痛のさなかでも割と落ち着いてチェックインすることができました。

厳重な警備体制(!)の出産フロア

最初にクラスについてオススメしたのにはもう一つわけがあります。それは、産婦人科の2階へ行くにはエレベーターでしか行けないようになっているということも教えてもらえたからです。これは到着の時間に関わらず、常にそうなっています。

もちろん陣痛のさなか健康のために階段で!なんて人はいませんが、実は階段は普段から警備体制のため使えないことになっているそうです。警備体制?とちょっと不思議に思われるかもしれませんが、赤ちゃんの連れ去りを防ぐため、また万が一連れ去りが起こってもエレベーターなら止められるので、階段は非常時以外使われないようにドアを開けるとアラームが鳴るようになっているんです。

連れ去り対策は他にもされていて、赤ちゃんが生まれると両親と赤ちゃんの腕にタグを付けられます(トップの写真、名前は隠していますが少し見えますでしょうか?)。このタグはセンサーになっていて、これをした二人(母と子や父と子)同士なら赤ちゃんと母親がいるエリアから一緒に出ても何もありませんが、タグをしていない人と子、例えば会いに来てくれた祖母が赤ちゃんを抱いてこのエリアを出たりするとアラームが鳴るようになっているんです。過去に一体何があったんだ?とちょっと気になりますが、用心してくれる分には心強いですよね。

そんな警備体制ですからこのエリアへのドアはいつも閉まっていて、中に入るときは専用の受付を通らないと入らせてもらえません。

出産と入院

陣痛が始まって到着すると、まず健康チェックの部屋に通され一通りの基本チェックと開口具合を確認されます。私の場合はすでに子宮口が9センチ開いていたのですぐさま出産の部屋に通されました。それから出産。

赤ちゃんが出てくるとSkin to Skin (スキン・トゥー・スキン)と言って、生まれたての赤ちゃんをしばらくお母さんの胸の上、お母さんが帝王切開などですぐに抱けない場合はお父さんの胸の上にしばらく置きます。カナダの最新の医学情報では、生まれてすぐに肌と肌の直接の触れ合いをさせることで、生まれたての赤ちゃんのストレスを減らすことができるそうです。初めて外の世界へ出てきたことへのショックを和らげたり、今まで母親のお腹の中で暖かかったから人肌で暖めてあげて、赤ちゃんも母親も落ち着くんだとか。

もろもろの検査が終わり落ち着いたらお母さんは車いすに乗って、立ち会った全員で病室に案内されます。

病室には3種類あります。無料なのは4人1部屋の大部屋。お金を払えば2人1部屋のセミプライベートか1人1室のプライベートが選べます。私は1泊だけなのでプライベートを希望でしたが残念ながら空きがなく、セミに通されました。出産が少ない日だと、セミでもお隣さんがいないということもあるようですが、私はちゃんとお隣さんもいました。残念!(もちろんプライベートの方がセミよりも少し値が張ります)

先ほどもお話ししたタグがあるように、赤ちゃんは何があろうともお母さんから引き離されることはありません。部屋では赤ちゃんベッドに入れられてずっとすぐ横にいます。そこに看護婦さんがたびたびやってきていろいろチェックしたり、またお風呂の入れ方を教えに来てくれたりもします。母親が検査などでベッドから離れなければいけない時は、赤ちゃんベッドはカートにもなっているのでベッドごと動かして移動できます(ちなみにカーテンの向こうはお隣さん)。

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そして24時間で退院。その実態は?

さて問題の「24時間で退院」ですが、本当です。赤ちゃんもお母さんも健康なら、自然分娩の人は24時間、帝王切開なら48時間で退院します。もちろんなんらかの健康上の心配があればもっと長く滞在します。結局「病院」であり、医療費も保険でカバーされているので、日本の産婦人科とは根本的に考えが違うんですね。

私は自然分娩でしたが、お隣さんは帝王切開だったようで夜中もとても辛そうでした。が、次の日の朝私が出る前くらいに聞こえてきた会話では、看護婦さんと48時間になる次の朝までいたいか、希望なら今日の夕方には帰ってもいいよ、みたいな会話をしていました。

私の個人的な感想といえば、24時間でよかった!というのが率直な意見です。というのも、食事も病院食、しかもカナダの病院食なので、これ冷凍だよね?っていうような食事が出ました。まずい機内食を想像していただければかなり近いです。しかもセミの部屋にも関わらずベッド以外には椅子一つしかなかったので、旦那に寝てもらえるような設備もありませんでした(日本はどうなんでしょうか?)。ので、24時間で退院して家に帰れたのは正直とてもありがたかったです。

私は幸い日本から母に来てもらっていたので、出産した日におにぎりを作って持ってきてもらいました。病院の夕食が午後5時過ぎ、なのに次の日の朝食が朝9時くらいだったでしょうか?とにかくめちゃくちゃ間があってお腹もペコペコだったので、出産で疲れた体で食べた夜食のあのおにぎりは格別だったのも大事な思い出です。

というわけで、医療費が無料なカナダでの出産レポート、いかがだったでしょうか?日本ではお祝い食なんて素敵なものが退院前に食べられるという噂を聞いて羨ましい反面、こっちはタダだから仕方ないかと思ったりもします。みなさんの参考になれば嬉しいです。

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