トロントのグルーミングショップで働いてみた
さて今回からは本格的にカナダトロントでお仕事シリーズと称して、私が経験してきたトロントでの様々なお仕事について一つずつお話ししていきたいと思います。第一弾はトロントで見つけたグルーミングショップでの仕事のお話です。
トロントに来たからには英語環境で働きたい!ということで、日本食レストラン(ジャパニーズレストラン、略してジャパレス)を避けて仕事探しをしていたため、カフェでの仕事が自然消滅した後の1か月ほどは探せど探せど仕事が見つかりませんでした。カフェの仕事や仕事探しについてはこちらを読んでください:
もともと資金にとても余裕があってやってきたわけではなかったので、貧乏暮らしをしてるのにも関わらずそろそろ資金も底をつきそう、ヤバい!これは親にすがるしかないかしら、、、と思っていた頃に、ようやく見つかったのがグルーミングショップでのベイザー(Bather=お風呂を入れる人、この場合犬を洗う人)の仕事でした。
どうやって見つけた?
仕事探しの1か月間、ジャパレスではないレストラン、小さな商店やカフェに手当たり次第にレジュメを配って回りましたが応答ゼロ。ある日なんてEglinton(エグリントン)駅からYork Mills(ヨークミルズ)駅までのヤング通り沿い4.9kmもの距離をひたすらレジュメを配りながら歩いたこともありました(地下鉄3駅分、普通みんな歩きません)。
あまりにも手ごたえがないので、もともとやる気ではなかったけれど日本の専門学校での経験を活かせる犬にかかわった仕事(私ドッグトレーナーコースを卒業してます)はどうだろうということで、途中からは動物病院やグルーミングショップにターゲットを変更しました。
ある日いつものようにまた新しいグルーミングショップへレジュメを持って行ったところ、可哀そうに思ってくれたそこの優しいオーナーさんが
「うちは雇ってないけどここへ行ったら雇ってるかもしれないよ」
と紹介してくれたグルーミングショップでトントンと話が進み、一瞬にして雇ってもらえることになりました。あんなに1か月も応答なしだったのに一気に決まったあたり、最後はやっぱりコネ(コネクション)なのでしょうか?
どんなお仕事?
私が担当したベイザーというお仕事は、ひたすら犬のシャンプーをして乾かす、というのが仕事内容です。たいていカットをする前のモジャモジャで汚れた状態の犬を洗いますが、引き取りの時間や当日の犬の数、または犬の毛の状態次第で、たまに先にバリカンで刈った後の犬を洗ったりもします。
勤務時間は朝8時半からその日の犬を洗い終わるまで。時給制だったので、今思えば腕が上がって早く終われば終わるほど損だったわけですが、当時はそんなことも考えずただただ仕事を楽しんでいました。グルーマーさんが3人いたので一日平均10匹ほど、多いときは15匹ほど「お客さん」がいて、10匹くらいの時はだいたい午後1時半ごろには終わって帰宅することができました(一日平均5時間労働)。お給料は毎週小切手でもらいました。カナダでは最低でも2週間に一度給料をもらうのが一般的ですが、こうやって毎週くれるところもあります。
トロントならではのエピソード
一年で一番のかき入れ時はクリスマス前で、12月に入ると予約はいっぱい。毎日13~15匹ほどやってきて、毎日夕方4時、5時までかかりました。お客さんはたいてい常連さんなので、クリスマスの時期になるとみんな1年のお礼を兼ねてプレゼントを持ってきてくれて、「スタッフの方みんなでどうぞ」のお菓子が食べ放題という嬉しい特典つきでした。
また、日本よりも飼われている犬種の幅が広いので、「お客さん(犬)」の種類も豊富です。学校の授業で習ったけど本物は初めて見た!という種類、例えばバーニーズマウンテンドッグやべドリントンテリアなどもたくさんやってきました。
さらには一度スカンクにやられたての犬を洗いました。ジェシーという名前の年取ったシェルティーのお話です、今でも忘れません。
トロントには野生にスカンクが生息しています。野生って言っても山の中ではなくて街にも生息しているので、家の庭やなんかにもたまに普通にやってきて、時々「数日前にスカンクに遭遇してニオイを吹きかけられた」という犬が来て洗うことがありましたが、
確かにいつもより追加でシャンプーしないといけないけど「スカンクはヤバい」というほど臭くて仕方ないというニオイではなかったので、”なんだスカンクなんてこんなもんか”と思っていました。
ある日緊急で「さっきスカンクにやられた」といってジェシーがシャンプーに連れられてきました。それがもうヤバかったんです!
いつもマスクをして仕事をしていましたが、マスクなんて役に立たないくらいのニオイの強さ。スカンクのニオイって、吐きたくなるようなウンチとか嘔吐系の臭さではなくて、強烈な酢に近いというか、ツンと鼻につくようなタイプなんですが、いや~やられたては強烈です。ゴム手袋をした手で、ショップ秘伝のスカンクシャンプーで4回洗ってようやくマシになって帰っていきましたが、
私の手にまでスカンクのニオイが染みついて、その日一日消えることはありませんでした。ゴム手袋をしていたのにですよ?!素手で触ったり、直接吹きかけられるのを想像したらゾッとします。
当初希望していた英語環境だったかというと、仕事中の7割は犬と過ごしているので、例えこちらが犬に英語で話したとしても返事はなし。人間のほうのお客さんと話すことも滅多になかったので、仕事前や休憩中、次の犬を連れて行くときなどにグルーマーさんと話したくらいでした。英語環境度は10点満点の3点、といったところでしょうか?日本では味わえない仕事かという観点から言うと、犬の種類や仕事への姿勢の面では日本とは違った経験が楽しめました。体力勝負でしたが今ではいい思い出です。
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