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紗倉さとる
2020年3月25日 01:42
舞台の上に、別の世界が立ち上がる。それは確かに目の前にあって、しかも、いま、ここ、にしかなかった。演劇は魔法だ。と、考えなしにそう思えていたのは、じっさいに舞台づくりに参加する前の話。その魔法は、どこまでも汗臭い人間同士の、話し合い、言い合い、練習、練習、失敗、どうしようもない挫折、許しあい、もろもろ、という、生々しい現実のうえに成り立っているのだと分かった。それだってこの世界の一部でしかないけ