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流れ星

女の子が泣いているのを
僕はこっそり見ていた。

その涙はやがて川になり、
夜の星のしずくとなった。

小さな粒が夜空に向かい、
そのあと金色に輝いた。

涼しい夜風がそれを左右に揺らしながら、
ゆっくり空へと流れていったのだ。

その静かな光景を目撃していたのは、
一体どのくらいのことだっただろう。

あの星も、この星も。

静かな夜の風景の中で、
僕たちに優しく光っていた。

女の子もそれに気づいたようで、
目を真っ赤にしながら空を見ていた。

うるうるした瞳に、
無数の星たちが輝いた。

きらきらと、きらきらと。

そこには僕たちしかいなかったから、
その奇跡を知っているのは僕と彼女のふたりだけ。

人に言ったって、きっと信じはしないんだ。

その星たちが一斉に横へと流れ始めたのは、
女の子が星たちの美しさに夢中になって、
悲しい出来事を忘れたときだ。

音が聞こえてきそうなほど、
その星たちは大胆にも弧を描きながら流れていった。

一つ、そしてまた一つ。

一体どうしてこんなことが起こり得るのだろう。

僕は、そしてきっと女の子も、
口を大きく開けながら空を見ていた。

声を出す前に次の星がきれいに流れるんだから、
声を出す暇さえもなかったのだ。

星はきれいだ。

僕はこのとき、
夜の星の虜になった。

ときどき流れ星があるのは、
誰かの粋な計らいがあるから。

僕はそう思っている。

それを僕は小さい時に
奇跡的にも目撃したのだから。




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