ショートショート | 夜をながれて
その国はずっと夜だった。
人々は、夜の星とランプのあかりだけを頼りに生活した。
しかし、ランプはずっと灯っているとは限らない。
ランプが切れると、人々はカーテンを開けて空を見上げた。
外に出て、少し散歩をする者もいたし、広場で追いかけっこする子どももいた。
老人は古いバイオリンで寂しい音色を響かせて、恋人たちは手を繋ぎながらお互いの温もりを感じとった。
リアムは、町を見渡せる丘へ出ると、いっぺんに落ちてきそうな夜の星々をしばらく眺めた。
星のあかりに照らされた薄