【不登校の原因になりうる家庭環境とは?改善策紹介】
あなたは今、お子さんの不登校の原因をわからずに悩んでいるのではないでしょうか?
「もしかしたら不登校の原因は家庭環境にあるのかもしれない…でも、家庭環境のどこに原因があるのかわからない」
そんな状況でお悩みの方もきっと多いと思います。
不登校の原因は、子ども1人ひとりによって違っており、様々な要因が絡み合った結果、不登校になることが多いです。
そして、その要因の中には、家庭環境が含まれている場合があるのも事実です。
また、一言で家庭環境と言っても、各家庭には様々な状況や事情があるでしょう。
このコラムでは、お子さんの不登校の原因が家庭環境にあるのではないかと不安に思う親御さんに向けて、不登校の要因となる家庭環境や家庭環境の改善方法について解説します。
少しでも、悩んでいるあなたの助けになれたら嬉しいです。
家庭環境は不登校の要因
文部科学省は、不登校の要因を次の4つに区分しています。(参考:『令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果』)
学校に係る状況
家庭に係る状況
本人に係る状況
該当なし(その他)
さらに「学校に係る状況」「家庭に係る状況」は、それぞれ次のように細分化されています。
学校に係る状況
いじめ
いじめを除く友人関係をめぐる問題
教職員との関係をめぐる問題
学業の不振
進路に係る不安
クラブ活動・部活動等への不適応
学校の決まり等をめぐる問題
入学・転編入学・進級時の不適応
家庭に係る状況
家庭の生活環境の急激な変化
親子の関わり方
家庭内の不和
本人に係る状況
生活リズムの乱れ,あそび,非行
無気力,不安
また、文部科学省の定義・調査によると、国公立私立問わず、不登校の主たる要因は次の通りです。(太字は「家庭に係る状況」)
小学生
親子の関わり方…13.2%
家庭の生活環境の急激な変化…3.3%
家庭内の不和…1.5%
無気力,不安…49.7%
生活リズムの乱れ,あそび,非行…13.1%
いじめを除く友人関係をめぐる問題…6.1%
「該当なし」…4.9%
学業の不振…3.2%
教職員との関係をめぐる問題…1.9%
入学・転編入学・進級時の不適応…1.7%
学校の決まり等をめぐる問題…0.7%
いじめ…0.3%
進路に係る不安…0.2%
クラブ活動・部活動等への不適応…0.0%
中学生
親子の関わり方…5.5%
家庭の生活環境の急激な変化…2.3%
家庭内の不和…1.7%
無気力,不安…49.7%
いじめを除く友人関係をめぐる問題…11.5%
生活リズムの乱れ,あそび,非行…11.0%
学業の不振…6.2%
「該当なし」…4.9%
入学・転編入学・進級時の不適応…4.1%
教職員との関係をめぐる問題…0.9%
進路に係る不安…0.9%
学校の決まり等をめぐる問題…0.7%
クラブ活動・部活動等への不適応…0.5%
いじめ…0.2%
これらの統計に従うと、「『家庭に係る状況』は、不登校の要因になりうる」ことが分かります。
補足として、近年、国が行う調査と地方自治体やNHKなどの民間企業が行う調査の間に、乖離が見られることが指摘されています。(参考:NHK未来スイッチ『不登校、その先を考えてほしい』)
よって、一つの調査結果だけを参考にするのではなく、様々な調査を比較することをオススメします。
不登校の要因となる家庭環境
不登校の要因になりうる家庭環境、文部科学省による調査で言うところの「家庭に係る状況」は、調査内にて次のように細分化されています。
家庭の生活環境の急激な変化
親子関係をめぐる問題
家庭内の不和
この章では、上記の3つの理由について、さらに詳しく解説します。
なお、もしあなたの家庭環境に当てはまっても、「自分たちのせいで子どもが不登校になった」などとご自身を責めないでください。
次章で紹介する「家庭環境の改善方法」を行うことで、お子さんは前に進めるようになります。
要因①家庭の生活環境の急激な変化
両親の別居、離婚や近親者の死亡など、お子さんの身近な人との「別れ」を伴うライフイベントは、大きなストレスとなります。
勤労者や大学生を対象にしたストレス評価の研究で、「配偶者の死」はストレス原因の1位であり、その他の「別れ」についても上位を占めています。(参考:第103回日本精神神経学会総会シンポジウム『出来事のストレス評価』)
大人でも相当なストレスとなることを考えると、子どもにとっては親が想像する以上のストレスを感じているはずです。
また、転職やリストラなど、両親の生活環境の変化によるストレスが、間接的に子どものストレスになるケースもあります。
例えば、「両親が子どもに八つ当たりをする」「両親の不安を子どもが敏感に感じ取る」などのことが挙げられます。
いずれにせよ、生活環境の急激な変化は直接的、または間接的にストレスとなって不登校の要因になることがあるのです。
要因②親子関係をめぐる問題
親子関係のこじれが不登校の要因となることもあります。
虐待という歪んだ親子関係はもちろんですが、それ以外にも程度の差はあれ、親御さんが思春期の子どもとのコミュニケーションに悩むことは珍しくありません。
親と子どもは似ている部分も多いですが、基本的には他人で、考え方・価値観・個性が違っていて当然です。
そのため、コミュニケーションにすれ違いが生じるのは、当たり前のことと言えるでしょう。
また、心配のあまり過干渉になる場合や、逆に全く興味を示さない不干渉の場合もあります。
最初は小さなすれ違いだったのが、時間が経つにつれて大きな溝になることもあるでしょう。
要因③家庭内の不和
こちらは、親子関係に問題がなくても、他の家族関係で不和を抱えているケースです。
例えば、両親の不仲、祖父母と両親の不仲、自分以外の兄弟との不和などが挙げられます。
そのような不和を感じ取った子どもは、次第に「家庭が安心できる場所ではない」と思うようになるのです。
その結果、疲弊して学校へ行く気力をそがれ、不登校になることが考えられます。
家庭環境の改善方法
この章では、家庭環境の改善方法について解説します。
「自分や家庭を変えること」は難しいと思うかもしれませんが、まずはできることから始めましょう。
方法①ストレスを緩和、解消する
あなたが今、ストレスを感じていたら、ストレスを緩和、解消することから始めてみてください。
あなたがストレスに感じていることが、直接的、または間接的にお子さんのストレスにつながっている可能性があるためです。
ですが、もしそのような場合であっても、親御さん自身を責める必要はありません。
ストレスが蓄積することで、自分の意志とは裏腹に周囲に影響を及ぼすことは、誰にでもあります。
そこで、具体的なストレスの緩和、解消法について解説します。できることから試してみてください。
■同じ悩みを抱える人に相談する
友人や親戚に、同じような子育ての悩みを抱える人はいませんか?
一人で悩んでいると、どうしても行き詰ることが多くなります。
他者からの視点によるアドバイスをもらうことで、状況を打開できることがあるのです。
また、誰かに話すことですっきりしたり、共感をもらえて安心したりすることもストレスの解消につながります。
■一人の時間を持つ
子どもから離れて、自分一人の時間を持つことも有効です。
自分一人の時間を有意義に過ごすことで、ストレスが緩和されます。
有意義に過ごすとは、必ずしも「何かをする」ということに限りません。
ここでの有意義に過ごすとは、日常の悩みから一時的に避難することができる、リラックスできる環境に身を置くということです。
そのためには、アロマやマッサージ、入浴や睡眠など、自分なりのリラックスできる方法を見つけることが、第一歩となるでしょう。
特に睡眠が足りていないと、ストレスがたまりやすくなるので要注意です。
ただし、普段から子どもとコミュニケーションがとれていなかったり、子どもの自傷行為が疑われたりする場合は、この限りではありません。
後述もしますが、この場合は慎重な見極めが必要になりますので、専門家を含む第三者のアドバイスをもとに、。
適切な対応を行いましょう。
■専門機関を頼る
親御さん自身のストレスがピークに達する前に、専門機関を頼りましょう。
家庭内だけで悩みを抱え込むと、ストレスがたまり悪循環になる傾向があるため、第三者である専門家やカウンセラーに相談することがオススメです。
専門機関は、様々なケースを通じて知識やノウハウを蓄積しているため、類似ケースから解決策を見出してくれるでしょう。
例えば、次のような地方自治体が運営している窓口が、相談先として挙げられます。
教育センター(高校相当年齢。各自治体のウェブサイトに詳細が記載されています。「教育センター ○○(市区町村名)」で検索してみてください。
方法②親御さん自身の人生を生きる
どんな親子関係においても一貫して必要なのは、子どもとの距離感を適度に保つことです。
不登校になった場合、親も子もそれぞれで悩み、家庭環境の悪化を招く状況に陥りやすくなります。
大切なのは、常に子どものそばにいるのではなく、自分自身の人生を生きることです。
常に親が子どものそばにいると、子どもが罪悪感を抱く可能性が高まります。
「いつも親に心配をかけて、自分に時間を割いてもらって申し訳ない」
そんな罪悪感が原因で、子どもは一人でいることを望んでいるかもしれません。
心とは裏腹に、常に一緒にいる親に八つ当たりをしたり、そうでなくとも一人でいる時間を欲していたりすることがあります。
親は子どもから少し距離を置いて、自分の時間を持ちましょう。
子どもは、親が自分の時間を有意義に過ごしているのを見て、安心する場合があるのです。
また、楽しそうな時間を過ごす親を見ることで、自分の将来に対して希望が湧くこともあります。
ただし、繰り返しとなりますが、子どもとのコミュニケーションが不足していたり、子どもの自傷行為が疑われたりする場合は、この限りではありません。
また、「お子さんとの適切な距離感」は、家庭やお子さんによって異なるため、一概には言えません。
そのため、「あなたと、あなたのお子さんとの距離感」については、前述の「専門機関」にアドバイスを求めましょう。
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