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【不登校児童の母親はなぜ苦しいのか?原因と苦しみから解放される方法】

お子さんが不登校になると、お子さんだけではなく、保護者もこれまでの生活から一変します。

毎日学校に送り出していたお子さんがずっと家にいるということは、想像以上に大きな変化があるでしょう。

そして、保護者としてできることを精一杯やってみても状況が改善しなかったら・・。

不登校が長期化すればするほど、保護者の不安や悩みも深刻化していき、どんどん追い込まれ、焦り、しんどくなっていくでしょう。

本記事では、不登校のお子さんを持つ保護者が疲弊してしまう理由やその対処法、相談先などを紹介します。

保護者の不安を軽減する不登校への考え方もお伝えするので、ぜひ参考にしてくださいね。


親を追い詰める理由

お子さんが学校に行かず、家にいるということは、保護者は24時間をお子さんと一緒に過ごすということになります。

お子さんの様子が気になるのは当たり前で、保護者はお子さんのことで頭の中がいっぱいいっぱいになってしまうことも少なくありません。

ここでは、不登校のお子さんを持つ保護者がしんどくなる理由を紹介します。

理由① 子どもへのサポート疲れ

不登校のお子さんを持つ保護者の目に見えるサポートとして、お子さんが家にいる間の見守りと食事の用意があります。
食事の時間に一緒に食卓を囲んでご飯を食べられるのは良い方で、部屋から出ないお子さんのために食事を部屋に運んでいる保護者も少なくありません。
勉強のサポートも保護者に委ねられています。お子さんに勉強する意思がある場合は勉強を見てあげる時間を捻出しなければいけません。
塾や家庭教師などに学習サポートを外注するケースでは、費用がかさむため経済的な負担が増えます。
また、目に見えないサポートとして、「お子さんに寄り添う」必要があります。
無気力なお子さんとどうにかしてコミュニケーションをとろうと試みたり、通院を拒否するお子さんを説得して病院に連れて行ったり、お子さんの機嫌を損ねないように神経を尖らせて明るく声掛けをしたりする必要があります。
お子さんへの精神的なサポートも保護者の疲れの原因になります。
さらに、家にずっとお子さんがいるので、家事や食事の準備、さまざまな用事など、保護者の思い通りに物事が進みません。
何事もお子さんのペースに合わせた生活になってしまうことも、疲れの一因になります。

理由② 将来への不安

不登校はいつ終わるかが見えません。
学生のときは不登校ですが、社会人になると「ひきこもり」として家に居続ける可能性もあります。
「いつまで不登校が続くんだろう」
「進学と就職はどうなるんだろう」
「将来、自立して生活できるのだろうか」
このように、出口の見えない問題に向き合い続けることで、お子さんの将来を悲観してしまい、不安に押しつぶされそうになっている保護者も多いです。

理由③ 周囲から理解が得られない

不登校の児童・生徒数は年々増加していますが、不登校に対する理解はまだまだ十分とは言えません。
祖父母や親戚に、必要以上に心配されたり、「甘やかしすぎでは」と保護者が責められたりするケースも少なくありません。
お子さんが学校に行かないことに悩んでいる保護者にとって、周囲の無理解はさらに保護者を追い詰める原因となってしまいます。
特に夫婦間で不登校に対する価値観が異なると、家族で同じ方向を見て進むことができなくなり、問題を長期化させてしまう傾向にあります。
また、家庭内で相談できなくなることで、より一層保護者が追い込まれてしまうでしょう。

理由④ 仕事とお子さんのサポートの両立が難しい

お子さんが小学生の場合は、家で1人にしておくことができないため、両親が2人とも出社することが難しくなります。

家でリモートワークができたとしても、昼食などお子さんのサポートに時間を費やす必要があるため、100%仕事に集中できるわけではありません。

結局、仕事もお子さんへのサポートも中途半端になってしまうことが増え、責任感の強い真面目な保護者ほど、どうしようもない状況にストレスを感じてしまいます。

そのため、お子さんが不登校になり、キャリアを手放す保護者も少なくありません。

しかし、仕事を辞めたからといって不登校の問題が解決するわけではないため、「こんなに頑張ってサポートしているのに回復の兆しが見えないのはどうして?」など、より精神的に追い込まれたり、一度キャリアを手放した女性の復職が難しいことから仕事を辞めたことを後悔したりする保護者もいます。

理由⑤ 正解がわからない焦り

お子さんが不登校になると、「自分の育て方が間違っていたのか?」と不安になる保護者は多いです。

甘やかしすぎたのか? 逆に厳しすぎたのか? 愛情不足?・・など、自分のこれまでの子育てが全否定されたような気持ちになることもあるでしょう。

「もっとこうすればよかった」と後悔してもどうしようもないことで悩んだり、自己否定することもあるかもしれません。

さらに、今は、インターネット上に情報が溢れており、保護者が少し調べるだけで膨大な検索結果を見ることができます。

不登校の解決についても同様に、保護者はわずかな光を求めて一生懸命情報収集をするでしょう。

しかし、インターネット上の情報には真偽不明のものも含まれたり、情報源によってさまざまな見解があるため、何が本当のことなのかがわかりません。

悩んだり調べたりした結果、何が正解かわからず、焦ってしまう保護者も多くいます。



気持ちを緩和させる方法

対処法① 子どもへのサポート疲れ

家で過ごすお子さんのサポートに追われ、お子さんのペースに振り回されている保護者は、まずは意識的に一人になって休息の時間をつくってみてください。
お子さんといえども、長時間、自分以外の人に振り回される生活は疲れるものです。
お子さんから離れ、頭の中の思考をお子さん以外のことに切り替えてみましょう。読書や映画鑑賞もおすすめです。
意識して気持ちをお子さん以外のことに向けることで、精神的にもリフレッシュできます。
不登校の解決には長い時間を要します。保護者も長期戦を覚悟して、上手に休息をとりながら向き合ってあげてください。
また、気分転換として、軽い運動もおすすめです。
ストレッチや散歩、ランニングなど、無理のない範囲で身体を動かしてみると、比較的簡単に気持ちの切り替えができるでしょう。

対処法② 将来への不安

不登校を経験すると、その後の人生でつまづくことが多い、と言われていることもあり、保護者がお子さんの将来を心配するのはもっともです。
しかし、将来を悲観しても何も良いことはありません。
今、お子さんのためにできることは何かということを考え、前向きに行動していくことが、必要以上に落ち込まないポイントです。
「今できること」に意識が向くと、つらい気持ちや不安も和らぎ、行動するエネルギーが湧いてくるでしょう。
それでも不安が軽減せず、落ち込む場合は専門の機関に相談しましょう。
不登校は、保護者だけで解決するのは難しいものです。
専門機関には、豊富な事例を知っているスタッフが在籍しています。話を聞いてもらい専門家の指導を受けると、解決の糸口が見えて心の重荷が軽減できるかもしれません。

対処法③ 周囲から理解が得られない

前提として、祖父母や高齢の親戚に不登校を理解してもらうのは難しいということを知っておいた方がよいでしょう。
今と違い、昔は不登校は珍しいことで、高齢の方にとっては理解し難い現象であることが多いからです。
では、そういった価値観を持った方とのコミュニケーションはどのように行ったらよいのでしょうか?
2つの選択肢があります。
1つ目は、その方と一度じっくり話してみるという選択肢です。
話す際には
 ①まずはその方の気持ちを聞いてあげること
 ②話を聞いたうえで、不登校のお子さんと保護者がどんな気持ちでいるかを伝えること
を意識してください。
定期的な対話を通して、お互いの認識のずれがなくなっていくはずです。
2つ目は、お子さんと保護者の気持ちが落ち着くまで距離を置く、という選択肢です。
人によっては、お子さんの状況を説明しても、理解してもらえない場合もあります。
ただでさえ、不登校になったお子さんのサポートで保護者も疲弊していることが多いのです。さらに周りの声でストレスをためる必要はありません。
「今はそっとしておいてほしい」と伝え、必要以上のコミュニケーションをとらないように過ごしてみましょう。
不登校のお子さんへの理解がない相手が配偶者である場合も基本的な姿勢は同じです。
相手に期待して対話を続けるか、期待するのをやめて距離を置くか。
本来であれば最も頼りたい相手に頼れない状況はつらいですが、お子さんにとってマイナスな影響がある人とは離れておく方がお子さんのためです。


対処法④ 仕事とお子さんのサポートの両立が難しい

仕事も子育ても一生懸命取り組んできた真面目で責任感の強い保護者ほど、何事も完璧にこなそうと思っています。
しかし、不登校のお子さんをサポートしながら今まで通り完璧に働くというのは無理でしょう。
完璧主義を一度手放してください。
職場に家庭の状況を説明し、業務内容を見直すことも一つの手です。
また、配偶者や祖父母に協力を依頼し、複数人が交代でお子さんのサポートをするという手もあるでしょう。
とにかく、1人で全てを抱え込まないようにすることがポイントです。

対処法⑤ 正解がわからない焦り

「子どもが不登校になったのは自分のせいだ」と保護者がご自身を責めていても状況は好転しません。
不登校はさまざまな要因が絡み合っていることが多く、原因はなかなかわかりません。
家庭環境が原因となっているケースもありますが、多くはお子さんの無気力や学校内の人間関係のトラブル、学業不振など、保護者には関係のない原因で、保護者がどう頑張ってもフォローしきれません。
不登校になったことに落ち込むのではなく、これからどう過ごすのがお子さんにとって最適なのか、ということにフォーカスして過ごしてみてください。
保護者が信頼できる情報を吟味し「この解決法を試してみよう」と前向きな気持ちでいることが大切です。


不登校のことで疲れたときに相談できる場所を紹介

不登校は、お子さんと保護者だけで解決することが難しい問題です。
無理に自分たちだけで問題に対処しようとすると、不登校が長引いたり、お子さんの心身の状態がさらに悪化するなど、解決から遠ざかる恐れもあります。
また、不登校のお子さんへの対応をネットで検索してみても、情報がありすぎて何を参考にすればいいかわからないことも多いでしょう。
不登校支援の専門機関はその道のプロなので、さまざまなケースへの対応経験があります。主な相談先を下記にご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

①教育センター・教育相談所
各教育委員会が、教育相談を行うための相談窓口として設置している公的機関です。
不登校に関する悩みを相談できるほか、必要に応じた情報を提供してもらえたり、カウンセリングや医療機関などの関係機関との連絡調整を行ってもらえます。
②教育支援センター(適応指導教室)
不登校に関する支援を行うために教育委員会が設置している公的機関です。
保護者の悩みを相談できるほか、不登校のお子さんに対する通所指導も行っています。
③子どもの人権110番
不登校やいじめなどの相談を電話で受けつけています。法務局員や人権擁護委員が相談に乗ってくれます。
☎0120-007-110
④24時間子どもSOSダイヤル
夜間休日問わず24時間いつでも利用できる電話相談窓口です。電話は、所在地の教育委員会の相談機関に接続され、さまざまな悩みや不登校に関する相談もできます。保護者も利用できます。
☎0120-0-78310
⑤フリースクール
不登校のお子さんに対し、学習活動、教育相談、体験活動などの活動を行っている民間の施設です。 規模や活動内容は施設によって大きく異なりますが、不登校のお子さんを対象とした施設であるため、不登校に関する知見があり、長年不登校のお子さんと関わってきた専門カウンセラーが相談にのってくれる可能性も高いでしょう。
学校への復帰はもちろん、問題解決へのアドバイスをもらえる可能性もあります。
⑥児童相談所
子どもの一時保護などでよく知られている児童相談所ですが、お子さんや保護者からのさまざまな相談に応じ、適切な助言や援助を行っています。
⑦子供家庭支援センター
市区町村における子どもと家庭に関する総合相談窓口です。18歳未満の子どもや子育て家庭に関するあらゆる相談に応じています。児童相談所とも連携しています。
⑧ひきこもり地域指導センター
社会福祉士や保健士、臨床心理士、引きこもり支援コーディネーターなどが在籍しており、学校復帰に向けた支援を受けることができます。
⑨青少年センター
青少年育成センターや青少年指導センター、青少年相談センター、少年センターなど、地域の活動内容に応じてさまざまな名称で呼ばれていますが、不登校やひきこもりといった問題に、精神医学や心理学の視点からケアを行っています。
不登校を相談する専門機関は、ご紹介したとおりたくさんあります。専門機関を活用して、ご自身に合った、最適な相談先をみつけることが大切です。


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