負け犬入院体験記 #7 十六日目・訳もなく憂鬱
※pixivFANBOX無料ブログ記事再掲です。
訳もなく憂鬱だ。特に理由はない。そう言う時期なのだろう。
ひどく気が滅入っている。理由は不明だ。
周期的にうつっぽくなる時期というのがある。そう言うものだと割りきっていたのでどうとも言えないが、ただひとつわかることは「こういう時期はなにをしても無駄」ということである。
とりあえず意味もなく駄文を書き連ねているが、特にそれといって書くことがあるかといわれればNOと答える他ないと思う。
ただひとつ、文句を言うとすれば、同室の人が医者と喧嘩しがちでうるさいという程度か。
彼は自分の病気に無自覚で、しかも(仕方ない事情があるらしいとはいえ)色々と切羽詰まっているときた。自分が言うのもなんだが、そういう人になにを言っても、自分が正しいと信じてやまないため意味がない。
彼とは友人みたいな関係になっていたのだが、医者に文句を垂れている姿はどうにも好かない。
他人のどうでもいい喧嘩というか怒りを聞くことほど、自分の精神に悪いことはない。
自分も怒るときは怒る(滅多にないが)けども、物事には大抵理由があるものだ。理由のない理不尽など、そうあることではない。自分が運良くそういう経験にあっていないだけかもしれないが。
物事の裏側というものを考えて、思慮深く考えれば、少なくとも他者への怒りはぐんと少なくなる。
自分に不都合があっても、それには理由があるのだ。それを想像するだけでいい。
自分が運良くそうできるだけの想像力と知性を持っていただけの可能性はあるだろうが、少なくとも自分はそれで過ごせているのだから、可能な人はやってみるといい。
話が逸れたが、ともかく。
そういった物事の仕組みを知りもしないで、怒りを撒き散らすそういった幼稚さのようなものに、僕は耐えきれなかったりする。
そういった理由があって、僕の憂鬱はこじれていく。少なくとも冒頭の気の滅入りようはそれが原因だった。
外ではこういうとき、散歩に出掛けたり酒を飲んだりして気をまぎらわしていたが、病院だとそれが出来ない。
入院という名の軟禁は結構辛いものである。だからこそ、ストレスでおかしくなるのも理解はできる。ましてや自分で納得したならともかく、半ば強制されたなら……怒りを抱くのも当然といえよう。
しかし、それも仕方のないことだし、むしろ自分の精神病(それも半信半疑なのはわかるが、医者の判断にはさすがに従うべきだと思う。医者も意地悪でそうしているわけではない)を治すためなのだ。
説教臭くなってしまった。年を取ると説教するのが好きになるというのは本当なのかもしれない。自分も気を付けなくては。
ともかく、自分に対してはともかく他者に怒りを抱くのは不毛なのでやめた方がいい、とだけ覚えとけばいい。
いや、自分でも時たま出来ていないので、気を付けることにする。
あと、他人の怒りは自分とは関係なくても自分の精神を蝕むので逃げるのが先決だ、とも。
こういうのをアンガーマネジメントというのだろうか。ひとまず、疲れたので今日はここまでとする。