見出し画像

タイミー経由で療育教室で働いてみた

これまでタイミーで保育園勤務に何回かチャレンジしてきたが、障害のあるお子さんの発達を支援する「療育教室」の募集があったので、はじめて応募してみた。
保育園との違いが面白かったので、レビューしてみる。

違い1:お子さんの人数が少なくて、短時間

「少人数保育の園です」と謳う保育園はタイミーで何回か見かけたが、おそらく10〜20名くらいなのではないかと思う。その療育教室で一度に見るお子さんは最大で4人だった。ちなみに先生は3名+私。そして、お子さんの滞在時間は1時間くらい。保育園とはまったく違うサービスを提供する場所だった。

違い2:運動プログラムと学習プログラムを提供

お子さんたちには軽度の知的障害や発達障害があるケースが多かった。療育というと座学のイメージがあったが、発達を促す運動も合わせて行うことが重要らしい。

たとえば、椅子に座っていられず、動き回ってしまうお子さんがいる。その子はエネルギーが有り余って動いているわけではなく、座って静止する筋力の発達に遅れがあり、座り続けるのがしんどくて動き回ってしまう場合がある。

その場合「座っていなさい」「静かにしなさい」と言い聞かせても意味がなく、体幹を鍛えて姿勢を保つような筋トレをすることが解決策だ。

その療育教室で提供していた運動プログラムは、平均台を渡る、昇降台をよじ登る、マットの上を四つん這いで歩くなどの体幹を鍛える系の運動。発達にはこういう運動が必要なのか…!と勉強になった。

違い3:学習タイムはマンツーマン

運動プログラムが終わると学習タイムに入るが、その後の学習タイムはマンツーマンで行う。小さいお子さんであれば小さな穴に小さな棒を差していくような作業(子どもにとってはゲーム)をしたり、もう少し大きくなるとその子に合わせたプリント学習をする。

鉛筆を持って横線を引くとか、鉛筆で線がちょうどよく引けるくらいの力で握るといった作業は当たり前にできることではないんだな、学習の成果なんだな、と勉強になった。

先生を殴ってくる男の子がいた

夕方に来た小学校高学年くらいの男の子は、教室に来るなり入口のソファーに座り込み、微動だにしなかった。運動プログラムが始まる時間になり、そこにひとりで置いておくわけにもいかないので、先生がその子を運動ルームに連れて行こうとした。そうすると、ポカスカ先生を殴り始めた。そんなに力を込めているわけではないが、地味に痛そうではある。先生はその子をいなしながら、その子を運動ルームに連れて行った。

ひょっとして知的障害が重くて、しゃべれないのかな?と思った。だとすると感情を言葉で示せないのかもしれないと合点がいく。しかし、先生がその子に話しかけると、きちんと答えていた。会話の意味はきちんと伝わっていた。でも、まったく言うことを聞いてくれないまま、時間が過ぎていった。

親御さんはすごく大変だろうし、心配だろうな、と思った。

あとで先生に聞いた内容を私なりに解釈すると、発達に凸凹があるお子さんは「誤学習しやすい」という特性があるらしい。たとえば、何かを叩いて大きな音を出したときに相手が笑うのをみて、「大きな音を出すと相手が喜ぶ」と解釈し、その後も何かを叩いて音を出す行動を続けてしまう。

その子も、自分が不快なときに乱暴な態度を取ったら周囲が自分の意に沿う行動をしてくれたことを誤学習してしまい、繰り返している可能性が高いようだ。

一度誤学習してしまった内容を正すのはとても難しいことらしい。もっとも大切なことは「誤学習を防ぐこと」ではあるが、誤学習してしまったら、根気よく再学習を促すしかない。

親の力だけでは難しいと思う。プロの力を借りないと無理だな…と学びになった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?